観るのも演るのも日々是好日!

演劇界に生きる男の観劇記録

SPAC-静岡県舞台芸術センターで俳優やってます!

倉敷幼稚園→粒江幼稚園→粒江小学校→倉敷南中学校→総社南高等学校→大阪教育大学

関心あるモノ・コト = 演劇/LEGO/昭和歌謡からJ-POP/字を書くこと/フィギュアスケート鑑賞/温浴施設めぐり/乗り鉄/旅行/睡眠

  • 江戸糸あやつり人形結城座『渡辺えり版 星の王子さま』@シアタートラム
    【2024/10/3 19:00〜20:50(途中休憩なし)】

    以前SPACに在籍していた舞台スタッフが結城座で操演していて、いつか観に行きたいと思いつつ、しかし、ずっと行けず…
    でも、今回は渡辺えり氏の作演出だし、歌舞伎『マハーバーラタ戦記』でご一緒した新内多賀太夫さんも客演されているし…ということもあり、やっとこさ観劇。初の結城座。
    客層は中高年以上がかなり多く、8割ほどの埋まり具合。

    『星の王子さま』といっても、そこは渡辺えり氏の戯曲なので、「星の王子さま」を劇中劇として取り込み、「人魚姫」の物語もモチーフとして使い、ストーリーテラーの役割も兼ねた「学校の先生と生徒たち」という外枠を用意し、パイロットにはサン=テグジュペリの半生を投影し、「星の王子さま」の本編と外枠の物語が、並行しながら進んでいくような構成に。
    演出の印象としては「明るいアングラ」とでも形容すべきか。あくまでイメージだけど、「野田秀樹風に演技演出された唐十郎戯曲」みたいなw

    結城座の方々は、基本的には黒衣の格好で人形を操りながらセリフを喋り(ラスト近くでは、人形は操演するが和装に着替えて顔も出す)、客演の人たちは普通に俳優として登場し、「人形と人間の共演」というスタイルで、「王子さまが人形で、パイロットが人間」という組み合わせは上手く活きていたと思う。
    ただ、クラスメイトや先生が、人形と人間が混在していたのは、悪くはなかったのだけど必然性はあまり感じられず…(「人形のクラスメイト3人が唐突に人魚になる(下半身だけ魚になる)」場面は、人間でやるには難しく、人形でやることの良さが出てはいた)

    観劇が初日だったためか、いろいろとハプニング的な事も多く、「舞台装置のパネルを、観客からは見えない舞台上で付け替えたりしてる時の作業音が観客に丸聞こえ(その間も舞台では演技続行中なのだがセリフの後ろで「ガタンガタン!」と。しかも、パネルの付け替えがスムーズではなく、かなり時間がかかる仕組み)」とか、「観客に見える状態での舞台装置の転換で、本当は取り外したいものがうまく外れず、そのままにして次の場面へ」とか、「舞台装置の段差のあるユニットから、人形遣いが演じながら降りるときに派手に転ぶ」などなど、列挙すればほかにもあるのだが、まあそういう感じ。

    時間や空間があちこちに飛ぶ設定で、場面転換がとても多いのだが、その転換の時間が活きている(演出上、上手く処理されている)ところと、そうでないところの差が結構あって、それも気になったし、作品の世界観的には今回の装置の必然性は分かるのだが、人形とのバランスやシアタートラムの舞台サイズ的には、舞台装置が少し大きい&物量が多い(=それにより舞台転換も大掛かりにならざるを得ない)のも気になった。

    特に、背景画を兼ねた、分割された4枚(もしかすると6枚だったかも)のパネルは、「もっと違う方法がなかったのかな…」と思った。
    脚にキャスターが付いていて、裏表で回転して使えるようになっているのだが、回転した裏側に別の背景パネルを取り付けたり外したりする仕組みになっていて、この取り外しが「観ていて気になる」レベルだった。おそらく「3面使える三角柱の形状」を用意すれば、転換は圧倒的に楽になるはずなのだが…

    元SPACの出演者は、ストーリーテラーを兼ねた3人の女子高生のひとりとして、ちょっと不良系の女の子の人形を操演。セリフの内容的には、渡辺えりさんの本音を喋るような役どころ、なのかも。
    セリフはめちゃくちゃ明晰で演技力もあるし、人形の扱いもなかなかで、操演する女優として立派に活躍されていた。
    結城座の人形は、操り糸が何本もあって、細かく人間のように動かすことができる反面、操作はとても難しそうだった。ふたりがかりで動かしてちょうど良さそうな感じのものを、ひとりで操り、しかも、役のセリフまで喋り。それを楽しそうに生き生きとやっている彼女の様子も、とても良かった。

    新内多賀太夫さんは今回が俳優初挑戦ということらしいのだが、この「唐十郎風というか野田秀樹風というか」なアングラ世界観に妙にピタリとハマっていて、なんだか「令和アングラ界の新星」みたいなオーラもあったw
    音楽をやっている方だからなのか、セリフの「情感と語り(エモーションとメロディ)の共存」が上手い。エモーショナルになりすぎると語り方(メロディ)が疎かになりがちだし、語り方を意識しすぎるとエモーションが疎かになりがちなのだが、多賀太夫さんはその両方を上手い塩梅で調整できていた印象。外枠の「学校の先生」という役柄的にも、それがやりやすいポジションではあったけど。
    そして、劇中音楽も担当されているからだと思うが、ところどころでは、三味線を手に生演奏の奏者としても登場。本作において結構なご活躍ぶり。
    (たぶんだけど、俳優の多賀太夫さんは、SPAC作品やSPAC俳優と相性がいいと思うw)

    かなりの意欲作なんだけど、結城座と渡辺えり演出の「組み合わせ」という点で、ちょっともったいない感じも残る。新しいことに貪欲に取り組んでいきたいのか、伝統をしっかりと継承していきたいのか、その狭間で、やや揺れ動いているようにも感じられた。


    江戸糸あやつり人形結城座
    『渡辺えり版 星の王子さま』
    原作 サン=テグジュペリ
    作・演出 渡辺えり

    両川船遊 フェネック、風子、王様
    結城孫三郎 星の王子さま
    結城育子 陸子、点灯夫
    湯本アキ 波子、実業家、 薔薇たち
    小貫泰明 コンドル、うぬぼれ男、星野くん
    大浦恵実 コンスエロ、呑み助、王子くん、薔薇たち
    中村つぐみ 弘、アルマジロ、地理学者、ヘビ、特高警察
    安藤光 ダンサーたち、特高警察、薔薇たち
    柿崎園子 ダンサーたち、薔薇たち
    新内多賀太夫 渡邉真紀夫先生、新内弾き語り
    吉田裕貴 男【サン=テグジュペリ】
    多岐川装子 ブエノスアイレスの母、小島、薔薇たち
    夢乃 ブエノスアイレスの息子、沢井、フランソワ

    音楽・作曲・ピアニスト 三枝伸太郎
    音楽作曲 新内多賀太夫
    舞台美術 池田どもゆき
    舞台美術助手 片平圭衣子
    人形美術・装置(舟・井戸) 野村直子
    照明 宮野和夫
    照明オペ 山浦恵美、米澤ゆき
    音響 島猛
    音響オペ 照山未奈子
    舞台監督 金安凌平
    演出助手 内河啓介
    人形製作 籾倉梢恵(頭)、田中友紀(衣装)、他結城座
    宣伝美術 小田善久
    宣伝写真 石橋俊治
    宣伝映像 株式会社KUROKAWA design
    記録映像 コラボニクス
    制作 前田玲衣、結城育子

    歌唱指導 深沢敦
    飛行機製作 大谷亮介、安藤友香、住吉愛子
    ヴァイオリニスト 会田桃子
    バンドネオン奏者 鈴木崇朗
    タンゴダンス 玉井勝教
    小道具製作 清水美帆子
    大道具協力 深海洋燈
    特別協力 「あそび糸」有志

    助成 文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))、独立行政法人日本芸術文化振興会、公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団
    協賛 COFFEE HALL くぐつ草、未来工業株式会社
    協力 Cocktail-Do Coffee Co.,Ltd.、シモジマ、オフィス3○○、(株)ファザーズコーポレーション

    企画・制作・主催 公益財団法人江戸糸あやつり人形結城座(国記録選択無形民俗文化財/東京都無形文化財)

    2024年10月3日〜6日 シアタートラム

  • MONO第51回公演『御菓子司 亀屋権太楼』@ザ・スズナリ
    【2024/3/9 14:00〜16:00(途中休憩なし)】

    創立35年のMONOが、これまでの1幕ものスタイルから大きく舵をきった。意欲作にして傑作。今までのMONOも良かったけれど、今回のMONOも違う良さがある。
    ドライでスピーディーな会話や、憎めない人物造形はそのままに、ある和菓子屋の歩んだ10年を、場面を様々に変えながら飛び飛びに描いていく作風で、場面転換も俳優たちが幕間のステージングのように様式的な動きで見せていく。(この転換の動きも統制が取れていて美しい!)

    舞台は、観客席側を除く3面を、裾広がりのコの字(つまりは「ハの字のようなコの字」)型にパネルで囲み、パネルには、大小様々な窓枠のようなものがあり、それらの窓枠の多くは、格子模様をベースとした、それぞれに異なる和風の意匠で飾られている。「モダンな和の空間」といった趣き。(サイトから転載の舞台写真参照)
    そして、場面に応じて、それらの窓枠が色々に変化する。ある窓枠は引き戸になったり、開き戸になったり、窓になって明かりが差し込まれたり。それだけにとどまらず、戸棚になっている箇所、椅子が出てくる箇所、造り付けの机として機能する箇所…と、言わば「寄木細工」や「からくり屋敷」のようである。

    なので、いつものMONOのような、リアルな空間の建て込みとはちょっと異なり、「やや抽象性のある装置で、場面転換を頻繁に行いながら色々な場面を表現」という感じ。
    和菓子屋の事務所、作業場の休憩室、カフェの一角、ホテルのロビー、雑居ビルの一室、などなど。
    この変化が、見ていて抜群に楽しい。「そこがそうなるの!?」とか「それをそこへ収納するんだ!?」とか。(何がどうトランスフォームするのか、扱う俳優たちはその段取りをマスターするのが大変だったのではないか、と思われるw)
    照明もまた、作品に寄り添う感じの美しさ。(照明デザインは吉本有輝子氏)

    「江戸時代から続く老舗の和菓子屋『亀屋権太楼』」が、実は巧妙に練られた歴史で捏造された経歴だったことが判明。ほどなくして、その捏造した張本人の社長は病死。次男が後継者となり、全てを公にして店の立て直しを図る。軌道に乗りかけた時、次男を快く思わない長男が店の乗っ取りを企て、新たな社長となる。が、上手くはいかず、結局は、店は次男の手に戻る。しかし、ライバル店が現れるなどして店の経営は悪化、店を手放す事態に…という10年間を、要所要所をピックアップするような形で見せていく。

    登場人物は、長男の吉文(水沼健)、次男の祐吉(尾方宣久)、吉文の娘の早紀(立川茜)、先代社長に雇われた菓子職人の道庭(金替康博)、先代社長に雇われた事務職員の青山(奥村康彦)、亀屋権太楼アルバイト歴10年の、狩野英孝みたいなキャラクターの北川(渡辺啓太)、亀屋権太楼の立て直しを請われた日本茶インストラクターで、早紀の学生時代の先輩の奈良原(高橋明日香)、吉文をそそのかす、トルコと繋がりのある怪しい男の佐倉(土田英生)。

    人望の厚い祐吉と、人望が無く娘からも嫌われている吉文、この対立が物語の核のひとつになるが、一方で、店の経歴詐称と並行して描かれる、いわゆる「同和地区出身」的な経歴の持ち主である道庭・青山・奈良原の出自にまつわるモチーフや、アルバイト北川の二面性なども作品に絡んでくる。
    さらに、年月を経ることで変わっていく人間性や、他者との関係性の変化なんかも織り込まれている。
    ある意味、「表の顔と裏の顔」みたいなものが、本作のテーマかもしれない。あと、「他人をどう見ているか/他人からどう見られているか」みたいな部分も。

    いつもの軽妙さは健在だし、道庭の天然キャラをはじめ、笑えるやり取りも多く、客席は何度も笑いに包まれる。
    ただ、MONOにしては社会派な側面も強い。舞台はそこまで重苦しくなく、社会派的なメッセージ性も、観ている時は「みかん汁で描いた薄いあぶり出しの絵」程度なのだが、観劇後にジワジワと輪郭が浮き出て来る感じ。
    展開を知った上で観ると、また違う観え方になると思われる。

    兄弟の和解めいた場面のあと、エンディングに登場するのは、今は解体業のアルバイトをしている北川、ただひとり。空き店舗らしきかつての和菓子屋の梅の木を、これから切ろうとするところで幕。(この梅の木もまた、物語にいい塩梅で関わる存在として描かれている)
    北川以外の人たちがその後どうなったかは、観客には明示されない。「え、ここで終わるの?」という感じもあるが、これも、敢えての狙いだろう。
    登場人物の描き方含め、このあたりは多少、評価の分かれるところかもしれない。

    登場人物たちのやり取りも、いつものMONOより無言でのやり取りが多い印象で、その場に生まれる空気をすごく大事にしているように見え、言葉で説明しすぎない感じが心地良い。
    ストーリーや演出に「余白」が多い作品と言えるが、舞台の進行を観ながら、余白の答え合わせをしていくというか、ミステリー作品ではないのだが、ある種の「謎解き」のような感覚もあり、その点でも見応えがある。

    あと、ここに来て古くからのメンバー以外の若手俳優たちが、旧メンバーと遜色が無くなった印象を受けた。
    これまでの1幕ものだと、若手組はどうしても「昔を知らない存在」みたいなキャラクターを割り振られることが多く、「出演者間のキャリアの差」みたいなものがあったのだが(もちろん、それを上手く取り込んだ配役にはなっていたが)、今回、場面や時間が細切れに飛ぶことで、新旧メンバー関係なく「個」の存在としての印象が強くなり、メンバー皆がフラットな状態で舞台に立っているように見えた。
    若手組の、個性というかキャラも立ってきた感じがあり、旧メンバーも、いつもとは一味違う配役な感じもあり、作品だけでなく、劇団としてもまた、「もう1段上がったな」という印象。

    ロビーの物販コーナーでは、「亀屋権太楼」の看板商品として劇中に登場する「はしけやし」という架空のおまんじゅうを、京都の老舗和菓子店とコラボして販売。

    東京公演は終わり、残すは北九州と上田のみ。観られるチャンスがある方は、ぜひ!
    (もう1回観たいけど、どう頑張っても観に行けない…w)


    MONO第51回公演『御菓子司 亀屋権太楼』
    作・演出 土田英生

    尾方宣久
    奥村泰彦
    金替康博
    高橋明日香
    立川茜
    土田英生
    水沼健
    渡辺啓太

    舞台美術 柴田隆弘
    照明 吉本有輝子(真昼)
    照明操作 池辺茜、岩元さやか
    音楽 園田容子
    音響 堂岡俊弘
    衣裳 清川敦子
    演出助手 neco(劇団三毛猫座)
    演出部 白坂奈緒子、習田歩未
    舞台監督 青野守浩
    イラスト 望月梨絵
    宣伝美術 西山榮一(PROPELLER.)
    制作 垣脇純子、豊山佳美
    協力 キューブ、リコモーション、radio mono、京菓子司 金谷正廣
    企画・製作 キューカンバー

    主催 キューカンバー[大阪・東京・北九州公演]、上田市(上田市交流文化芸術センター)・上田市教育委員会[上田公演]
    提携 北九州芸術劇場[北九州公演]
    制作協力 サンライズプロモーション東京[東京公演]
    助成 文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援))・独立行政法人日本芸術文化振興会[大阪・東京・北九州公演]、大阪市[大阪公演]、文化庁文化芸術振興費補助金 劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)・独立行政法人日本芸術文化振興会[上田公演]

    2024年2月22日〜2月26日 扇町ミュージアムキューブ CUBE01
    2024年3月1日〜3月10日 ザ・スズナリ
    2024年3月16日・3月17日 J:COM北九州芸術劇場 小劇場
    2024年3月23日・3月24日(日) サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター) 大スタジオ

  • KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ(安藤玉恵版)』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
    【2024/3/1 13:30〜14:45(途中休憩なし)】

    ダブルキャスト企画での上演、先日の片桐はいりさん版に続いて、安藤玉恵さん版を観劇。

    本当に、片桐さんとは舞台や小道具の使い方が異なっていて、安藤さんバージョンの最大の特徴は、「ぬいぐるみやパペットをメインに使って登場人物たちをイメージさせた」ことだろう。
    片桐さん自身がいろんな登場人物にスイッチングしていったのに対し、安藤さん本人はわりとスタインバーグのままで、登場人物はぬいぐるみやパペットに紐づけられていた。
    ただ、この演出は、好みが分かれるところかもしれない。

    また、片桐さんバージョンだと「スタインバーグを取り巻く環境」が浮かび上がってきたのに対し、安藤さんバージョンは「スタインバーグの目に周囲の人たちがどう映ったか」というのが浮かび上がってきた。
    これは、「片桐さんのほうが俯瞰的で、安藤さんのほうが当事者的」とも言える。

    そして何より、安藤さんバージョンは片桐さんバージョンに比べると、やはり「語る」ことに重きが置かれていたように思う。
    片桐さんが「客席に向かって喋りつつも、客席が能動的に演者を覗き込むような感じで、しかも、感覚的な舞台」だったのに対し、安藤さんは「演者が能動的に客席のほうへ手を差し伸べながら語りかけていく感じで、それでいて、論理的な舞台」と、異なるスタイルだったのも印象的で面白い。
    ただ、そのせいで安藤さんバージョンは、若干、観客への講義感も生んでおり、そこも、好みの分かれる1つのポイントかもしれない。

    片桐さんのほうが独り言っぽいというか、愚痴っぽい。そして、極論すれば「観客がいなくても同じことが再現できそう」な感じで、パフォーマンスにムラが無さそうではあった。
    一方の安藤さんバージョンは、おそらく、その日の観客の集中とか反応が、安藤さんの演技にビビッドに影響しやすく、観客がいるといないとではパフォーマンスが変わってきそうな雰囲気すらあった。(終演後のアフタートークでも、そんな感じの事をおっしゃっていた)

    もしかすると実は、片桐さんのほうが「瞬間瞬間を生きているように見せながら、実は緻密に計算された演技」で、安藤さんのほうは「緻密に組み立てられた演技のように見せながら、実は意外と博打っぽい感覚で演じている」のかもしれない。うーん、面白い。

    ただ、個人的には、安藤さんバージョンのほうも捨てがたく、心地よくもあった。
    言葉がしっかり伝わる分、観客の想像の余地もあったし、指先の動かし方や表情の作り方などの挙動から、スプーンフェイス・スタインバーグという少女がそこに現れたような印象を受けた。
    片桐さんのほうは、どちらかというと、スプーンフェイス・スタインバーグの魂という感じで、器用なんだけどイタコ的でもあり、スタインバーグを自身に降臨させた「代弁者」のような印象を受けた。

    なので、「どちらが良かったか?」と問われたら、僕は「安藤玉恵さんのほう」と答えるかな。
    (数学の場面で、スタインバーグが数字を答える時に、その瞬間だけ急に、素っ気無い低音で数字を言う安藤さんの、「突然、観客をはぐらかすような裏切るような演技」が個人的には好きで、それにヤラれたのも大きいのだけどw)

    最後に。
    片桐さんバージョンの感想の投稿時に言及し忘れていたのだが、セリフの中でレゴに言及する箇所があり、そのためか、舞台上にはレゴフレンズ(レゴの中でも、カワイイ&オシャレ系のシリーズ)の「アンドレアの演劇学校」の1セットがあるのだが、個人的にはそれもお気に入りw
    (でも、レゴデュプロ(小さい子ども向けの大きめのブロックのレゴ)のほうが、作品の世界観には近いと思うのだけど…)

    KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
    『スプーンフェイス・スタインバーグ』

    作:リー・ホール
    翻訳:常田景子
    演出:小山ゆうな

    安藤玉恵/片桐はいり

    美術:大島広子
    照明:大石真一郎
    音響:徳久礼子
    映像:石原澄礼
    演出助手:坂本沙季
    舞台監督:山田貴大
    プロダクションマネージャー:小金井伸一

    演出部:池野上咲月、小林愛美
    照明補佐:大島真
    照明操作:稲崎愛歩
    音響操作:片野はるひ

    大道具製作:C-COM(豊永恭子)
    小道具協力:橋本加奈子
    衣裳スタイリング:大島広子
    衣裳協力:pot and tea
    ヘアメイク協力:小林雄美

    鑑賞サポート:Palabra株式会社、神奈川芸術文化財団 社会連携ポータル課
    広報:植田あす美
    営業:大沢清、清水幸
    票券:金子久美子

    宣伝イラスト:丹野恵理子
    宣伝デザイン:柳沼博雅
    宣伝写真:渞忠之
    宣伝スタイリスト:菊池志真
    宣伝ヘアメイク:林摩規子
    舞台写真撮影:渞忠之
    劇場広報アートディレクション:吉岡秀典

    制作進行:横井佑輔
    制作:牛山直美、西原栄
    チーフプロデューサー:笛木園子、伊藤文一
    事業部長:堀内真人
    芸術監督:長塚圭史

    協力:スターダストプロモーション、MASH、& FICTION!、Smile Stage、本谷麻子

    主催・企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場

    2024年2月16日〜3月3日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

  • KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ(片桐はいり版)』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
    【2024/2/18 13:30〜14:50(途中休憩なし)】

    イギリス人作家リー・ホールの書いた、もとはラジオドラマ用の一人芝居で、死期が迫った自閉症の7歳の少女スタインバーグのモノローグ。ダブルキャスト企画での上演の、まずは片桐はいりさんのほうで観劇。

    子ども部屋と思しき舞台。あちらこちらに、家具やおもちゃなどの小道具。これらの配置は、ダブルキャストの両バージョンで共通らしい。(しかし、衣裳や動きは全く異なるらしい)

    オペラが大好きなユダヤ人の少女スタインバーグの目に映る、両親や主治医、お手伝いのスパッドさんなどの大人たちの様子や、自身の考える「生と死」「この世の真理」などが語られる。スタインバーグの「これまでに思っていたけど自閉症ゆえに口に出せなかった言葉たち」が語られていると言ってもよいだろう。
    また、「主治医の母が、ナチスの強制収容所の生き残り」という設定なので、そこから伝え聞いた話題も出てくる。
    要所要所では様々なオペラのアリアが流れ、その歌声が、場面の変化や話題の転換のきっかけにもなっている。

    片桐さんは、スタインバーグとして存在してはいるものの、小道具を巧みに使いながら、様々な登場人物たちにスイッチングして演じる時もあり(たとえば、小道具の大きな人形をスタインバーグに見立て、大人側の役として人形に接する、など)、ある種「イタコ的」というか、演じ手としての巧みさを見せてくれる。
    戯曲のセリフひとつひとつが浮かび上がるような演じ方というよりは、スタインバーグを取り巻く人間関係などが浮かび上がり、それによって、彼女の世界観、感情や感覚みたいなものが伝わってくる仕上がりだったように思う。

    小道具の使い方がとても上手く、また、話題や視点の変化のタイミングと、小道具を手にしたり手放したりのタイミングが、緻密に計算されていたように思う。
    少女から老年まで、何を演じてもそう見えてくる説得力はさすがである。そして、何を演じていても、キラキラしている。
    それは「生命力に溢れている」とも言え、だからこそ、「この作品のモノローグを語るに相応しい身体である」とも言える。

    パンフレットのインタビューで、ダブルキャストのもうひとり、安藤玉恵さんが「このダブルキャストは、ディズニーランドとディズニーシーである」と述べており、また、「私は『この作品は言葉で伝えたい』と思った」とも話していることから、おそらく、安藤さんバージョンのほうが、「言葉=語り口」で伝わってくるものが多いと思われ、それに対して、片桐さんバージョンはやはり、肉体で見せる創り方になっているような気がする。

    片桐さんバージョンは、俳優としての存在感が先ずは伝わり、スタインバーグの世界観は感じ取れたものの、彼女が語る内容に対する共感や理解という点では、いまひとつしっくり来ない部分もあったのだが、それは、先に述べたような所から来ているものかもしれない。


    KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
    『スプーンフェイス・スタインバーグ』

    作:リー・ホール
    翻訳:常田景子
    演出:小山ゆうな

    安藤玉恵/片桐はいり

    美術:大島広子
    照明:大石真一郎
    音響:徳久礼子
    映像:石原澄礼
    演出助手:坂本沙季
    舞台監督:山田貴大
    プロダクションマネージャー:小金井伸一

    演出部:池野上咲月、小林愛美
    照明補佐:大島真
    照明操作:稲崎愛歩
    音響操作:片野はるひ

    大道具製作:C-COM(豊永恭子)
    小道具協力:橋本加奈子
    衣裳スタイリング:大島広子
    衣裳協力:pot and tea
    ヘアメイク協力:小林雄美

    鑑賞サポート:Palabra株式会社、神奈川芸術文化財団 社会連携ポータル課
    広報:植田あす美
    営業:大沢清、清水幸
    票券:金子久美子

    宣伝イラスト:丹野恵理子
    宣伝デザイン:柳沼博雅
    宣伝写真:渞忠之
    宣伝スタイリスト:菊池志真
    宣伝ヘアメイク:林摩規子
    舞台写真撮影:渞忠之
    劇場広報アートディレクション:吉岡秀典

    制作進行:横井佑輔
    制作:牛山直美、西原栄
    チーフプロデューサー:笛木園子、伊藤文一
    事業部長:堀内真人
    芸術監督:長塚圭史

    協力:スターダストプロモーション、MASH、& FICTION!、Smile Stage、本谷麻子

    主催・企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場

    2024年2月16日〜3月3日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

  • はえぎわ×彩の国さいたま芸術劇場 ワークショップから生まれた演劇『マクベス』@東京芸術劇場シアターイースト
    【2024/2/17 18:30〜20:15(途中休憩なし)】

    10人で演じる『マクベス』。マクベス(内田健司)以外は、何役か兼ねたり、アンサンブルとしても動いたり。かなりテキレジされている感じで、非常に分かりやすくシンプルな仕上がり。翻訳は、松岡和子訳を使用。

    舞台上に8×8のマス目、ひとマスに一脚ずつ木製の椅子(椅子はどれもほぼ同じ造り)。つまり、64脚の椅子がある。舞台両サイドに大きめの長テーブル。テーブルの上には、大量の衣裳や道具と思われるもの(大半は飾りとして置かれている)と、小物楽器。
    場面が変わるごとに、椅子を並べ替えたり積み上げたり(段取りがかなり大変そう!)、小道具や楽器を持ち出したりして、場面を変化。歌やラップの場面もあり、また、効果音的に小物楽器を多用したりと、視覚的にも聴覚的にもアクセントを付けながら場面が進行していく。
    その際、魔女がフィーチャーされ、魔女を中心として物語が進行されていくような印象が残る。
    あと、KAKATO(鎮座DOPENESS×環ROY)の「めでたい−だるま」というラップ曲(NHKの「デザイン あ」で使われた楽曲)が、テーマソング的に幕間きと終幕で流れ、なんとなく頭から離れないw

    演出と演技の好みはあるだろうが、作品そのものの完成度は高いだろう。適度にシェイクスピア節も楽しめつつ、バラエティに富んだ演出も味わいつつ、「大人向けお子様ランチ」な作品に仕上がっている。
    古き良き小劇場的というか、スマホやVRなども出てくるものの、全体としてはアナログかつクラシカルな手法で、俳優ひとりひとりの持ち味を活かすような演出。若干、蜷川演出の手触りのような感じもあるにはあるが、どちらかというと、「子どものためのシェイクスピア」シリーズのほうが近いかも。

    全体の色調はモノトーンでまとめられ、アクセント的に小物で彩り。なので、マクベスとマクベス夫人が、殺人を犯した以降、手が墨汁のようなもので黒くなったまま、という演出も、演出全体のバランス的にも良き。
    ただ、バンクォー(山本圭祐)、ダンカン(村木仁)、マクダフ(町田水城)、マルカム(広田亮平)が、他の役も兼ねており、衣裳も似通って見えるため、「マクベス」初見だと、人間関係の把握がちょっと分かりにくいのが、少しもったいない。

    出演者は総じて良い仕事をしているが、個人的に印象的だったのは、上村聡さん。キャラの良さとセリフの明晰さはもちろん、作品を下支えするような存在でもあり、とても良かった。
    あと、魔女のリーダー的存在でありつつ、門番やマクダフ夫人も演じた茂手木桜子さんの、独特の佇まいと豹変ぶりと、フワフワしたステップによる移動。
    マクベス夫人の川上友里さんも期待通りの好演。下世話さのさじ加減が絶妙w

    マクベス役の内田健司さんは、感情的になりすぎず、「さいたまネクスト・シアター」出身らしいマクベスを好演していたが、個人的に、セリフ回しが若干、藤原竜也さんを彷彿とさせてしまう(セリフを置いていく感じではなく、紙ヒコーキで飛ばすような感じ…ってたとえで分かっていただけるか?)のが気になった。
    (それとも、蜷川の薫陶を受けた男性俳優は、だいたいこんな感じの仕上がりが普通?)


    はえぎわ×彩の国さいたま芸術劇場
    ワークショップから生まれた演劇
    『マクベス』
    原作:ウィリアム・シェイクスピア
    翻訳:松岡和子
    上演台本・演出:ノゾエ征爾

    マクベス:内田健司
    マクベス夫人:川上友里
    パンクォー、フリーアンス、他:山本圭祐
    ダンカン、暗殺者1、医者、他:村木仁
    マクダフ、将校、貴族、他:町田水城
    マルカム、暗殺者2、他:広田亮平
    ロス、他:上村聡
    魔女1、門番、マクダフ夫人、他:茂手木桜子
    魔女2、マクダフ息子、他:菊池明明
    魔女3、侍女、他:踊り子あり

    美術:岩本三玲
    照明:岩品武顕
    音響:金子伸也
    衣裳:紅林美帆
    ヘアメイク:小林雄美
    演出助手:渡邊千穂
    舞台監督:根津健太郎、須田雅子
    技術監督:山田潤一

    演出部:萬寶浩男、小池由里子、松下城支
    照明部:鈴木健太郎、宮之前優美、若狭裕美子、板垣史子、佐藤恵、安部さやか
    音響部:飯塚ひとみ、辻本望
    小道具:布田栄一
    大道具:金井大道具(宮崎恵一、矢田英孝)
    特殊効果:コマデン(吉田有希)
    衣裳製作:中西亜希子、大高紀子、望月広子
    鎧製作:安津満美子、鈴木美幸
    運搬:マイド

    宣伝美術:六月
    宣伝イラスト:MERIYAS MIDORI
    協力:パシフィックアートセンター、エープロジェクト、リトル・ジャイアンツ

    制作助手:足立悠子
    制作:高木達也、松野創、田中美樹

    公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)
    理事長:加藤容一
    芸術監督:近藤良平
    専務理事:小田恵美
    事業部長:岩品武顕
    劇場部長:山田潤一
    ゼネラルアドバイザー:渡辺弘
    企画制作課長:秋葉良司
    営業広報課長:鶴貝典久
    営業広報:松井哲、林さやか
    票券:鈴木優子、武井亮子

    主催:はえぎわ、公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)
    共催(東京公演):公益財団法人東京都歷史文化財団 東京芸術劇場
    助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
    助成(埼玉公演):一般財団法人地域創造

    2024年2月17日〜25日 東京芸術劇場 シアターイースト
    2024年3月1日〜3日 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

  • PARCO PRODUCE 2023/PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『桜の園』@日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
    【2023/09/13 13:00〜16:00(途中20分の休憩あり)】

    昨年の『セールスマンの死』の上演に続いてのショーン・ホームズ演出。今回も、独特の解釈の仕方で古典作品を蘇らせている。

    石棺を連想させる巨大な塊と、それを縛っている何本かの太いロープ。舞台奥には金網の柵。
    ザ・フォー・シーズンズの「シェリー」の替え歌(歌詞を「チェリー」に変えている)を口ずさみながらやってくる作業着姿の男(永島敬三)が合図をすると、石棺が上昇(石棺は終幕、横たわったフィールス(村井国夫)の上に降りてくるまで舞台上空に吊られたまま)。
    現れたのは、ビニールが掛けられた家財道具や人物(ドゥニャーシャ(天野はな)とロパーヒン(八嶋智人))。
    作業着姿の男がビニールを取り除き、柵の扉を開け、そこを施錠して立ち去ったところで、『桜の園』の物語が始まる。

    作品の中で死者に当たる人物(ラネーフスカヤの息子とか母親とか)の話になる時には、不穏な音が聞こえてくる。
    2幕の冒頭、家庭教師のシャルロッタ(川上友里)は、ビニールプールの中、水着姿でセリフを喋る。(その後、エピホードフ(前原滉)は躓いたはずみで、そのビニールプールに突っ込み、ずぶ濡れになる)
    浮浪者(永島敬三)は金網の外から、柵を飛び越えてやってきて、柵を飛び越えて去っていく。
    不気味な音が聞こえる場面では、観客にはその音は聞こえない。(代わりに、それまで鳴いていた蝉の音が高まってカットアウトされる)
    舞踏会の場面では、デジタルな音楽による仮装パーティーが催され、ピエロに扮したワーリャ(安藤玉恵)や、大きな蝶の羽を背負って体型ラインくっきりな姿のピーシチク(市川しんぺー)、熊の被り物を被ったエピホードフなどが登場する。

    登場人物は皆、わりと現代的な衣裳に身を包み、どちらかというと現代的な言葉遣いに寄せたセリフを喋る。サイモン・スティーヴンスによる英訳を使った意図はそこだろう。
    演技のトーンは、全体的にテンション高めな感じ(ハイテンションというわけではない)で、一般的な『桜の園』の上演でよく見られるような「気だるさ」とか「陰鬱さ」みたいなものは少なめ。わりと皆さん、ハキハキ喋るw
    誰に向けて喋っているのか、あえてハッキリさせないよう処理されているセリフが多々見られる一方で、明らかに観客に向けて語られるセリフも多く、新劇リアリズム風な演出とは一線を画す。
    また、パンフレットによると、演出テーマの1つに「亡霊」があるらしく、確かに、そのことを意識させる仕上がりにはなっていた。

    演出は確かに面白い。
    面白いのだが、演出意図が勝ってしまって、俳優が埋没してしまった印象も。「俳優が演出を体現する」という所までは行き切れてないようにも思えた。

    ラネーフスカヤ役の原田美枝子さんは、人物造形は成功していたと思うのだが、いかんせん声量が少なく、PARCO劇場では成立していたかもしれないが、日本特殊陶業市民会館ではちょっと厳しいものがあった。同様のことは、アーニャ役の川島海荷さんにも言える。その他がわりと、普段のフィールドが舞台の俳優たちだったので、余計に声量差が悪目立ちしてしまった。
    また、成河さんは、トロフィーモフ役では力量を持て余しているようにも見えたし、川上友里さん(シャルロッタ)、竪山隼太さん(ヤーシャ)、市川しんぺーさん(ピーシチク)あたりは、共にちょっとエキセントリックな感じの造形で、お互いを相殺し合ってしまったようにも感じられた。
    前原滉さんのエピホードフは悪くなかったのだが、朝ドラ『らんまん』で演じている波多野役にも見えてしまったので、もう少しバリエーションが欲しかったかな。

    安藤玉恵さんのワーリャと八嶋智人さんのロパーヒンは、個人的にはかなり好きだったのだけど、この2人だけでは作品全体の完成度に影響を与えるところまでは及ばず…
    村井国夫さんのフィールス、松尾貴史さんのガーエフ、天野はなさんのドゥニャーシャも良かったのだけど、もう少し違う方向性もあったのではないか?とも思う。

    幕開きの演出でグッと鷲掴みにされたものの、それ以降が息切れ気味になってしまったのが残念。
    どうせなら、冒頭、作業着姿の男以外の登場人物全員、石棺の中に入っていても良かった気もする。(そこから振り分けられ、1度舞台袖に退出させられる、とか)
    石棺とか金網の柵という仕掛けがありながら、ナチュラルに舞台袖から登退場するというのがちょっと解せず。しかも、4幕で屋敷を去る場面では、皆、金網の柵の向こうへ退場し、その扉の鍵をかけるのはロパーヒンで、石棺と柵の演出が「思いつき」程度に見えてしまったのも勿体ない。
    まあ、「桜の園のしがらみから解放される=柵の外へ出られる」ということなのだとは思うけど…

    ちなみに、チラシビジュアルのイメージで観劇すると、かなり違うw


    PARCO PRODUCE 2023
    PARCO劇場開場50周年記念シリーズ
    『桜の園』
    作:アントン・チェーホフ
    英語版:サイモン・スティーヴンス
    翻訳:広田敦郎
    演出:ショーン・ホームズ

    原田美枝子:リュボーフィ・ラネーフスカヤ
    八嶋智人:アレクサンドル・ロパーヒン
    成河:ピョートル・トロフィーモフ
    安藤玉恵:ワーリャ
    川島海荷:アーニャ
    前原滉:セミョーン・エピホードフ
    川上友里:シャルロッタ・イワーノヴナ
    竪山隼太:ヤーシャ
    天野はな:ドゥニャーシャ
    永島敬三:浮浪者ほか
    中上サッキ:招待客ほか
    市川しんペー:ポリス・シメオーノフ=ピーシチク
    松尾貴史:レオニード・ガーエフ
    村井國夫:フィールス

    美術・衣装デザイン:グレイス・スマート
    音楽:かみむら周平
    ステージング:小野寺修二
    照明:佐藤啓
    音響:井上正弘
    ヘアメイク:佐藤裕子
    衣裳コーディネート:阿部朱美
    美術コーディネート:岩本三玲
    通訳:時田曜子
    演出助手:陶山浩乃
    舞台監督:藤崎遊、田中直明

    ステージング助手:藤田桃子
    衣装コーディネート助手:柿野彩
    ヘアメイク助手:清水里恵
    ブロンプター:小石川桃子
    通訳:河井麻祐子
    演出部:田中政秀、瀬戸元哲、玉置敬子
    照明部:溝口由利子、伊賀康
    音響部:山本祥悟、佐々木結衣、北村夏主馬
    ヘアメイク部:森珠美
    衣装部:沼田千穂

    大道具製作:C-COM 舞台装置(伊藤清次)
    機構:村上舞台
    小道具:高津装飾美術(西村太志)
    小道具製作:土屋工房(土屋武史)
    電飾:イルミカ東京(原島いづみ)
    衣装製作:植田和子、斎藤恵子、吉田祐子、広野正道、柿崎紅花
    履物:アーティス(大石雅章)
    運送:マイド
    台本印刷:シナリオプリント
    版権コーディネート:シアターライツ
    ポスター貼り:ポスターハリス・カンパニー

    アーティストマネージメント:MY Promotion Inc.、シス・カンパニー、ブルー・ジュピター、マッシュ、レプロエンタテインメント、トライストーン・エンタテイメント、スタッフ・プラス、エフ・エム・ジー、レディバード、ゴーチ・ブラザーズ、古舘プロジェクト、トム・プロジェクト

    協力:Independent Talent Group Ltd、AHA Talent Ltd、カンパニー AZA、Aプロジェクト、ART CORE、オフィス新音、スタジオAD、カンパニーデラシネラ、文学座/世田谷パブリックシアター技術部、ハロースミス、木口充恵、原西忠佑、淺場万矢、原田理央、内田健介/ヴォートル、シグマコミュニケーションズ

    宣伝美術:榎本太郎
    宣伝写真:森崎恵美子
    宣伝写真スタイリスト:尾嶝恵里子
    宣伝写真ヘアメイク:CHIHIRO
    宣伝映像:尾野慎太郎
    宣伝:る・ひまわり(金井智子、秋山美優)
    パンフレット編集・宣伝テキスト:金田明子
    舞台写真:細野晋司

    制作協力:伊藤達哉
    制作:木村夏、山田紗綾
    制作助手:古城茉理
    プロデューサー:佐藤玄
    製作:宇都宮誠樹

    助成:文化庁文化芸術振興費補助金(統括団体による文化芸術需要回復地域活性化事業(アートキャラバン2))、独立行政法人日本芸術文化振興会
    後援:ブリティッシュ・カウンシル
    制作協力:ゴーチ・ブラザーズ
    企画・製作:株式会社バルコ

    2023/8/7〜29 PARCO劇場
    後援:TOKYO FM、TBSラジオ
    東京票券:山本杏香、福村彩
    20239/2 東京エレクトロンホール宮城
    主催:キョードー東北
    後援:公益財団法人宮城県文化振興財団、公益財団法人仙台市市民文化事業団
    2023/9/6 上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
    主催:TSSテレビ新広島、ピクニック、バルコ
    協力:広島バルコ
    運営協力:キャンディープロモーション
    2023/9/13 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
    主催・キョードー東海、サンライズプロモーション東京、バルコ
    協力:名古屋バルコ
    2023/9/16〜17 森ノ宮ピロティホール
    主催:関西テレビ放送、サンライズプロモーション大阪
    2023/9/20 高知県立県民文化ホール オレンジホール
    主催:テレビ高知、パルコ
    運営:デューク
    2023/9/23〜24 9.23 キャナルシティ劇場
    主催:九州朝日放送、サンライズプロモーション東京、ピクニック
    協力:福岡パルコ

  • EPOCH MAN『我ら宇宙の塵』@新宿シアタートップス
    【2023/08/11 14:00〜15:40(途中休憩なし)】

    またひとり、見逃せない演劇人に出会ってしまった。そうなりそうな予感はしていたが、予想以上だった。EPOCH MAN、今後要注目だ。

    舞台からは、演劇の力や可能性をとても信じていることが伝わってきて、また本作では、デジタル(テクノロジー)とアナログ(人間)の融合というか采配のバランスが素晴らしく、個々の俳優も作品そのものも、両方を存分に味わえる舞台だった。
    古き良き小劇場でありつつ、それでいて、最先端な感覚もありつつ。そして、それが作品テーマのひとつである「宇宙」にピッタリで。壮大な内容を、ミニマムな形で示してくれたと言えよう。
    あと、「様々な幸福な出会いの結晶として、たどり着いた作品なんだろうな」という印象を受けた。

    事故死した、宇宙や星の話が好きだった父(小沢道成)。母(池谷のぶえ)からは「お父さんは星になった」と言われ、それ以降、口数は少なくなり、空ばかりを見るようになっていた少年・星太郎(しょうたろう)(人形操演:小沢道成)。ある日、星太郎は突然、父の行方を探るためにひとりで出かける。舞台は、星太郎がいなくなったところからスタートする。(その前にプロローグ的な抽象的な場面があるが)
    居なくなった星太郎の行方を必死に探す母は、星太郎が事故現場の道に落書きしていたという目撃証言とそこに描かれた絵を手がかりに、父親が事故の時に運ばれた病院を訪ねてみる。
    そこで星太郎と話をしたという看護師・早乙女(異儀田夏葉)と出会い、2人で、病院裏手にある、父親が荼毘に付された火葬場を訪ねてみる。
    そこでまた星太郎と話をしたという火葬場職員・鷲見(すみ)(渡邊りょう)と出会い、今度は3人で、星太郎の思い出の場所だと思われるプラネタリウムを訪ねる。そこに星太郎はいて、プラネタリウム職員の老婆・平家(ひらや)(ぎたろー)の星座や星の解説を聞いているうち、星太郎は、「父の行方」に対する自分なりの答えに辿り着く…
    というようなストーリー。

    物語に貫かれるテーマは「死生観」。主軸となる母と息子のストーリーに、看護師が語る「祖母の死」や、火葬場職員が語る「愛犬の死」、プラネタリウム職員が語る「夫の死や、自分が望む葬儀の話」などが、いい塩梅で絡んでいく。
    また、もう一つのテーマである「宇宙と星の話」も、「地球に隕石がぶつかった時に飛び散った欠片が集まって月が生まれた」とか、「遠い星に行く方法」とか、劇中に語られることが作品に大きく関わってくる。

    最終的に、「死んで焼かれた身体は煙になり、大気中に混じり合い、雨になっているかもしれないし、海になっているかもしれないし、魚や野菜になっているかもしれないし、色んなものに形を変えている。そう考えると、星になったというのも間違いではない」という結論にたどり着いた星太郎。広大な宇宙の中で、死んだら「塵」となり、宇宙を構成する物質となって存在し続ける…
    ファンタジーなんだけど、同時にすごく現実的というか、とてもしっくり来るゴール地点だった。タイトルの意味も、ラストに来て回収。

    そう大きくはない舞台には、巨大なLEDパネルが三辺をカーブ状に囲む形で立てられ、床面は光沢素材で、パネルに映し出された映像が床面にも反射して映るようになっている。
    最初に、満天の星空が映し出された瞬間、一気に物語の世界へ連れ込まれた感覚。その後も、手書きのイラストが動き出したり、プラネタリウムの場面で星座が浮き出てきたり、要所要所で上手く使われ、説明的になりすぎることなく、観客の想像力を補完してくれる。

    星太郎が、プラネタリウムから自宅へ駆け出した時、人形が客席に向かって走っているように俳優たち5人で動かしつつセリフも喋っている後ろでは、LEDパネルに、「一点透視図法」みたいな感じで描かれたたくさんの「直線」が流れているよう映し出され、これこそまさに「デジタルとアナログの融合の極致」であり、演劇の力の面白さも感じられた。
    また、ラストでは、それまでわりとモノクロだった映像に、色彩が付いていき、カラフルな風景に包まれたのも圧巻だった。星太郎の心の変化とリンクしても見えるし、登場人物たちの世界観が広がった感じにも見え、とても良かった。

    少年役の星太郎は、関節が動く人形で、愛らしくもあるが、少し不気味でもあり、何かを真剣に考えているような表情をしている。少し大人びた印象も。それを小沢さんが操作しつつ喋りつつ、時には星太郎の父親役も担いつつ。
    俳優5人はほぼ出ずっぱりで、メインの役以外の端役も演じたり、時には人形操演に加わったり。ちなみに、壁面はLEDパネルで囲まれているため、俳優たちの出入りは床からのみ。

    少年にも父親にも見える小沢さんが果たす役割も大きかったが、母親役の池谷さんがめちゃくちゃいい。シリアスで感情的な面の大きい役で、そういう池谷さんもとても良き。ホント、上手い俳優さんだなと思う。そして、シリアスな中に垣間見せる抜群のコメディセンス。爆笑するような場面は無いが、「泣けてくる場面なのにやり取りが笑える」みたいな感じで。

    看護師役の異儀田さんも、火葬場職員役の渡邊さんも、スマートだけどちょっとだけ個性的な演技で、人物造形も秀逸で、池谷さんとの声質のバランスもとても良く、池谷さんに見劣りすること無く渡り合う姿が良き。この舞台に欠かせない存在感を見せた。

    プラネタリウム職員の平家さん役のぎたろーさんは、飛び道具的な配置かと思いきや、職員の老婆役がとてもハマっていて、「狙いすぎず、さり気ないのに、可笑しい」のがとても良き。ラストで、平家さんが亡くなったあとの会話中に、片隅で座って、ほほ笑みながらその話を聞いている、穏やかなぎたろーさんの姿も印象的。

    漠然と「死んだらどうなるのかな」「明日の朝、この身体が死んでいたらどうしよう」とか、幼少期に考えていた身としては、星太郎の感覚もちょっと分かるし、大人になった今としては、そんな子どもとどう接していいか分からなくなる母の気持ちもちょっと分かる。

    大切な人を亡くした人や、宇宙に興味がある人、死んだらどこに行くのか考えたことがある人なんかに、オススメしたい作品。
    あと、昭和から平成のころの、古き良き小劇場の感じが好きな人にも。


    EPOCH MAN
    『我ら宇宙の塵』
    作・演出・美術:小沢道成

    宇佐美陽子(うさみようこ):池谷のぶえ
    鷲見昇彦(すみのりひこ)、少年2、町人3、配達人:渡邊りょう
    早乙女真珠(さおとめまみ)、少年3、町人2、伝聞人:異儀田夏葉
    平家織江(ひらやおりえ)、少年4、町人1、掃除人、斉藤:ぎたろー
    星太郎(しょうたろう)、少年1:小沢道成

    映像:新保瑛加
    音楽:オレノグラフィティ
    ステージング:下司尚実
    舞台監督:藤田有紀彦
    照明:奥田賢太
    音響:鏑木知宏
    パペット製作:清水克晋
    衣裳:西川千明
    ヘアメイク:Kazuki Fujiwara
    演出助手:相田剛志
    舞台監督助手:磯田浩一
    照明・映像操作:市野佑可子
    稽古場代役:椙山さと美

    宣伝美術:藤尾勘太郎
    写真:山岸和人
    宣伝ライター:横川良明
    メイキングディレクター:谷口恒平
    舞台・稽古場写真:小岩井ハナ

    制作:村田紫音、保坂麻美子、及川晴日
    制作協力:鳥谷規
    プロデューサー:半田桃子

    LEDビジョン:SPACEWA(辻貴大)
    映像協力:コローレ
    鑑賞サポート・字幕制作:Palabra(UDCastLIVE)
    鑑賞サポート:NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)

    後援:ニッポン放送
    主催:EPOCH MAN
    助成:芸術文化振興基金助成事業、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
    Special Thanks:安藤保佳、飯塚なな子、石川亞子、石川佳乃、板場充樹、伊藤優花、猪俣晏暖、猪又友理子、植村海月、近江谷悠衣、大熊望友、大下沙綾、黒澤たける、神谷大輔、古賀結夢、近藤茶、高羽彩、田中遥、鳥塚隼人、中尾莉久、渚まな美、野木怜那、浜田栞那、東迎昇史郎、藤木陽一、藤田輝、松島愛華、松嶋奈々夢、松原怜香、三國谷花、村田正純、村田夕奈、横室彩紀

    2023年8月2日〜13日 新宿シアタートップス

  • COCOON PRODUCTION 2021『物語なき、この世界。』@シアターコクーン
    【2021/7/30 13:30〜16:15(途中20分の休憩あり)】

    ポツドールの三浦大輔氏の新作。前回の藤ヶ谷太輔主演の『そして僕は途方に暮れる』は見逃しているので、三浦氏の演出作品を観るのはおそらく『娼年』以来。
    三浦氏特有のベッドシーンなどもあるものの、『娼年』などに比べると、今回の舞台ではその頻度も露出も少なめだが、岡田将生さんが風俗店で行為に及ぶ場面などは予想通り、ある。
    このあたり、基本的な路線はこれまでの作風と同じだが、今回は登場人物たちの独白が多くなっている気がした。何だかやたらとみんな語る。

    しかもその内容が作品テーマである「物語(ドラマ)」についてで、いわゆる「自己肯定」「自己実現」「自己顕示」への欲求とか、その裏返しとして感じる「虚無感」「うだつの上がらなさ」みたいなものを、「物語」という言葉を使って語るので、セリフそのものが「いかにもセリフです」的なあざとさも。「人生の主人公」とか「自分は脇役だ」とか「いまドラマみたいだった」みたいなフレーズ頻発。
    「そんなにみんな、しかも初対面同士で『物語』とか『主人公』って言葉を共通言語として会話する?」という感じで、シェイクスピアほどではないにしても、不自然な言い回しに聞こえる瞬間が多々あり、そういった「誰の言葉を喋ってるのかよく分からない感じ(役柄から自然に出てきた言葉というよりは、誰かに言わされてるような感じ)」が妙に気になってしまう。
    これは狙った上でのことなのか、各俳優のセリフ術の上手い下手によるものなのか…ということも分からずw
    皆が饒舌なだけに、余計にそこは引っ掛かる。

    新宿歌舞伎町の街並みが舞台上に再現され、居酒屋、銀行のATM、風俗店の入口、喫煙所などが立ち並ぶ。雑踏のシルエットがプロジェクターで投影され、リアルに出てくる登場人物たちの孤独感を浮き彫りにする。
    街並みは、回転すると店内に変わる仕組みで、いろんな店の外観と内観が目まぐるしく転換する。(1つの装置を3店舗くらいで共有しているものもあるので、内観の飾り替えが大変そう)
    「自分の人生に物語がない奴らが映画を見に行く=歌舞伎町を歩く奴らはそんな奴ばっかり」みたいなセリフがあって、つまり「自覚の有る無しに関わらず、物語を欲している人たちの話」なのだろう。そして、歌舞伎町や、歌舞伎町を拠り所として生きている人間たちは「物語が無い世界であり、自分の物語がない人たちである」と。

    前半45分、休憩20分、後半100分という、いびつな時間配分での上演なのだが、これも「物語」というテーマ上、意図的に設定されたものだろう。
    前半で、不可抗力による殺人事件(実は死んでないことが後半に判明する)が起きることでストーリーが展開していくため、その事件が起きるまでが前半、いわば序章であり、後半は事件を契機とした登場人物たちそれぞれの、「物語」をめぐる話へと発展していく。いわば本編は後半なのである。

    前半で厄介な酔っぱらいのオッサンを演じ、死んだと思い込まれてしまう、ほっしゃんこと星田英利さんが、後半、前半にとった行動のひとつひとつに意味があったことを感じさせる場面があり、悲哀を感じさせる良い芝居を見せる。(さらにその後、このオッサンは、理由がはっきりしないまま歌舞伎町のビルから飛び降り自殺をするという衝撃の展開!)
    一方、この舞台の主人公である岡田・峯田の同級生コンビ(といっても、この日に歌舞伎町の風俗店で高校卒業以来の再会をした、特別仲が良い訳でもない二人)は、「ドラマ」の主人公に憧れる売れない俳優と、人生に「ドラマ」を求める売れないミュージシャン、という設定だが、ひょんなことから殺人を犯してしまうことで、生を実感したような錯覚に陥ったものの、後半では、死んだと思っていたオッサンが生きていて、しかも偶然オッサンと再会して、オッサンがその日の出来事を振り返ってしみじみと語ることで、結局、岡田・峯田は主人公ではなく「ただオッサンの物語の脇役に過ぎなかった」ことを自覚させられてしまうあたりの展開が上手い。

    また、前半と後半を橋渡しする役割として登場する、寺島しのぶさん演じるスナックのママ(オッサンの元妻)が、商売トークの合間に巧妙に本音トークを織り交ぜる感じとか、適当にいい加減にあしらう感じも上手い。

    しかし、峯田さん演じる今井伸二の「売れないミュージシャン」はともかく、岡田さん演じる菅原裕一の「売れない俳優」は若干の無理があるだろう。
    それは「岡田さんのビジュアルで売れないってどういうことよ?」ということではなく、「あんなにクズ男な性格で、役作りとか勉強とか全くしてなさそうなのに、ちょい役で映画に出て3万もらうってあり得るの?日本の芸能界ってそんな感じなの?」と。

    あと個人的には、ドラマとして観ることを差し引いても、岡田さんはやっぱりキレイ過ぎる気がするし、逆に峯田さんは、ドラマとして観るには少し汚れすぎてるというか、リアルにクズ男すぎる気もする。顔とか演技とかだけじゃなくて、持ってる雰囲気とかも含めて。
    三浦作品はやっぱり、裸になる以上にさらけ出す感じなので、根っこの部分とか、普段の生活とかも、相当影響してくるわけで、そのあたりがベストキャスティングだったかどうか、疑問が残る。
    これは、バランスの問題なのかもしれない。岡田将生さんと峯田和伸さんでは、ちょっと釣り合いを取るのが難しいというか、岡田さん寄りでキャスティングするならば、今井役ももう少しキレイめなほうが良いし、峯田さん寄りでキャスティングするなら、岡田さんではキレイすぎる。
    二人とも、「ホントに空っぽで何も考えてないんだろうな」という虚無感は上手いし、岡田さんは新境地的な演技ではあるのだけど。

    菅田将暉の「まちがいさがし」(と、あいみょんの「マリーゴールド」)が、劇中でも歌われ(流れ)、作品テーマとオーバーラップする。
    また、ラストで、彼女にも捨てられ、自暴自棄になり歌舞伎町の路上で寝転がって暴れだす菅原の様子を、今井がスマホで撮影するのだが、その映像が舞台奥に大写しになるところは、メタシアターとかブレヒトを少し想起させ、「ドラマ」を求めるドラマ、という枠組みだったことが端的に表現されていた。

    客席は、緊急事態宣言以降チケット販売をストップしたためか、7割くらいの入りだった。そして圧倒的に女性客が多い。


    COCOON PRODUCTION 2021
    『物語なき、この世界。』
    作・演出 三浦大輔

    岡田将生 菅原裕一
    峯田和伸 今井伸二
    柄本時生 田村修
    内田理央 鈴木里美
    宮崎吐夢 風俗店 店長
    米村亮太朗 警察官
    星田英利 橋本浩二
    寺島しのぶ 橋本智子
    日高ボブ美 風俗嬢(キャバ嬢2)
    増澤璃凜子 キャバ嬢1・3
    仁科咲姫 キャバ嬢1・3
    有希 OL

    美術 愛甲悦子
    照明 三澤格史
    音楽 井筒昭雄
    音響 中村嘉宏
    衣装 小林身和子
    ヘアメイク 河村陽子
    映像 冨田中理
    擬闘 六本木康弘
    演出助手 山崎総司
    美術助手 岩本三玲
    舞台監督 齋藤英明
    演出部 小見山実侑、三上洋介、中瀬古靖、小野寺栞、渡辺純平、渡邊圭悟、畑久美子
    照明操作 前田奈都子、長野ちひろ、鳥居春歩、松井義之、橋野明智
    音響操作 佐藤こうじ、今里愛、野中祐里
    衣装アシスタント 岡田梢
    衣裳進行 伊藤優理、秋山友海
    ヘアメイク進行 野林愛
    ヘアメイク協力 小畑央
    映像操作 菊地沙耶
    制作助手 坂井加代子、加藤恵梨花
    大道具 C-COM舞台装置(伊藤清次)
    機構 美鈴工業(渡部貴浩)
    背景 美術工房拓人
    小道具 高津装飾美術(西村太志)
    電飾 コマデン(福富健司)
    運搬 マイド
    音響協力 Sugar Sound、高橋真衣

    楽器協力 三響社
    衣装協力 Zoff、ABC-MART、VANS、SUIT SELECT
    コスメ協力 チャコット、DaB
    映像協力 インターナショナルクリエイティブ(神守陽介)
    装飾協力 東宝映像美術(近藤紗子)
    協力 ライティングカンパニーあかり組、ワンミュージック、Vitamins、SELFiMAGE PRODUKTS、Roots、渋谷ステージセンター
    法務アドバイザー、骨董通り法律事務所(福井健策、岡本健太郎)
    宣伝美術 永瀬祐一
    宣伝写真 加藤アラタ
    宣伝スタイリスト 森保夫
    宣伝ヘアメイク 岩下倫之、千葉美智子
    宣伝広報 る・ひまわり

    東京公演主催 Bunkamura
    エグゼクティブ・プロデューサー 加藤真規
    チーフ・プロデューサー 森田智子
    プロデューサー 松井珠美
    制作 武内純子、青山恵理子
    制作助手 藤崎晃雅
    票券 青木元子
    劇場舞台技術 野中昭二、濱邉心太朗、仙浪昌弥
    京都公演主催 読売テレビ、サンライズプロモーション大阪
    企画・製作 Bunkamura

    2021年7月11日〜8月3日 Bunkamuraシアターコクーン
    2021年8月7日〜8月11日 京都劇場

  • KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『未練の幽霊と怪物 ―「挫波」「敦賀」―』@穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
    【2021/6/29 19:00〜21:05(途中15分間の休憩あり)】

    KAATでの公演は、キャパシティの小さい大スタジオだったこともあり早々に完売し、連日、当日券は3時間以上前から並ばないと買えないほどだったとか。
    リピート観劇の声も聞かれ、知人からの薦めもあり、豊橋公演ではまだチケットが買えたこともあり、こちらで観劇。
    上演時間は途中休憩込みの125分で、カーテンコールは盛り上がって4回。

    能の様式を取り入れた演出、というか、ほぼ「能」だ。ステージ中央に白いリノリウムで覆われた主舞台があって、下手側には主舞台と舞台袖をつなぐ「橋がかり」、主舞台の奥にはいわゆる「囃子方」である演奏者が数名いて、主舞台の上手には「ひとり地謡」である歌手。
    まずワキが登場して物語の概要を伝えると、前シテがやって来て、やがて「近所の人」であるアイと入れ代わり、最後には後ジテが登場してたっぷりと思いの丈の舞を披露…みたいな。
    なお、「挫波」も「敦賀」もほぼ同じ手法を繰り返すので、観客はいわば「同じ演出の2作品を続けて観る」ことになる。
    「挫波」はシテが森山未來、観光客であるワキが太田信吾、近所の人であるアイが片桐はいり。「敦賀」はシテが石橋静河、旅行者であるワキが栗原類、近所の人であるアイが片桐はいり。

    ステージにおける主舞台がそれほど広くないのだが、これはKAATの大スタジオサイズだからだろう。PLATの主ホールでは空間を少し持て余し気味で、その影響のためか音響環境はいまいち(小屋が大きすぎて残響がありすぎるのか、セリフと演奏のバランスが良くない箇所がいくつか)。
    主舞台上空には、主舞台と同じサイズとおぼしき天井が吊られ、天井は白い明かりを放っている。
    客電は基本的に点いたままで、暗転になるのは全てのラストの1回のみ。その時に非常灯をチカチカ点滅させたのが印象的。
    こういった、装置や色味がシンプルな演出は、個人的偏見もあると思うが、少しヨーロッパ的な匂いを感じる。(蛍光灯っぽい白い明かり、とか、ブラックボックスに白いリノリウム、とか)

    登場人物たちの動きはいわゆる「チェルフィッチュ」的なのだが、僕の目には、動きの質に2種類の違いがあるように映った。
    ひとつは、語る内容とは無関係の、その人の無意識の癖的な動きを増幅させたような質感。
    もうひとつは、語る内容の説明ではないのだけど、語る内容から連想されるような、セリフと共鳴するような質感。
    後者の場合は、宮城演出の二人一役時のムーバーの動きの質にかなり近いと言える。

    今回の出演者では、片桐はいりさんと石橋静河さんはその「セリフ共鳴系」、森山未來さんはそこからの進化系で、よりコンテンポラリーダンスに振り切った「アートまっしぐら系」、ワキのふたりは「日常無意識の癖系」に映った。あくまで個人の主観だが。
    ただ、いずれの場合も、コトバとカラダが切り離される状態で、セリフを語りながら動いており、その意味では皆「ひとり二人一役(まぎらわしいw)」とも言える。そして、シテの動きが多様になる時、セリフはシテ自身から七尾旅人さんの地謡へとバトンタッチする印象で、ここはまさに「二人一役」。

    演奏は、もちろん現代的ではあるものの、音色などはどことなく鼓の音や笙の音などを連想させる、雅楽っぽさを醸し出す部分もあり。(すべてが生演奏というわけではなく録音と生演奏のジョイントなどもある。)
    七尾旅人さんの歌は、エフェクトをかけたり、フレーズを繰り返したりと、どことなくSPACのコロスセリフっぽく聞こえるところもあり。(SPAC関係者用語で言うと「ひとり対位法」「ひとりタペストリー」的なw)

    先に述べた動きのテイストや、聞こえてくるセリフのリズム感とかも相まって、なんだろう、作品全体としてすごく「SPACが(宮城演出が)やってることをもっと現代受けする感じの若い感覚でやると、こうなるのかも」と思えたのが印象的。
    (余談だが、『敦賀』で後ジテの石橋静河さんが遠心分離機のように回転するところなどは、SPAC『オセロー』でのラストで美加理さんが回転するようであり、作品のそこかしこから受ける既視感たるや!w)

    「挫波」とは「ザハ・ハディド氏が設計した、幻となった新国立競技場」であり、「敦賀」とは「一度も運転することなく廃炉への道を辿ることになった、敦賀市に建てられた高速増殖炉もんじゅ」のことであり、どちらも「日本の政治経済界のお偉方たちが見ていたであろう夢の、潰(つい)えた姿」と言える。
    成仏できることなく未練を残した、かつての夢が、どうして「志し半ば状態」を迎えなくてはならなかったのか、ということについての考察のような舞台。そしてその考察を、観客にも観劇しながら思考させるような、そういう余白の多い作品。

    日本から出された諸条件を元に設計したザハ案が、国際的にももてはやされ、それを目玉にオリンピック招致を勝ち取ったのに、いざというところでちゃぶ台返しにされてしまった経緯はなかなか興味深く、「ザハ案を反故にした日本への国際的評価と、ザハ案を実現させなかったもったいなさ」という点で考察しても非常に面白い。

    「もんじゅ」もまた、日本の技術力の不甲斐なさとか、夢を見させられて絶望させられた地元民の想いとか、エネルギー問題が抱える闇の深さとか、そういう視点から問題を捉え直した時にジワジワ来る後味の悪さも、興味深い。

    ただ、舞台作品としては個人的にはそこまでハマらず。
    しかし、扱った作品の題材、森山・石橋両氏の肉体の興味深い動き、演奏者とのセッション的な「即興風のセリフと動き」を見せた片桐はいりさんなど、作品全体に冴えは感じられた。

    また、能は夢うつつな感じで心地よく寝落ちしてしまう瞬間があるが、今回の舞台でもそういう「瞬間的に落ちてしまう」ことが何度かあり、それも含めてやはり「現代能体験」だったと言える。


    KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
    『未練の幽霊と怪物 ―「挫波」「敦賀」―』
    作・演出 岡田利規

    出演
    森山未來
    片桐はいり
    栗原類
    石橋静河
    太田信吾
    七尾旅人(謡手)

    演奏
    内橋和久
    筒井響子
    吉本裕美子

    音楽監督 内橋和久
    美術 中山英之
    照明 横原由祐
    音響 佐藤日出夫
    衣裳 Tutia Schaad
    衣裳助手 藤谷香子
    ヘアメイク 谷ロユリエ
    舞台監督 横澤紅太郎
    プロダクション・マネージャー 山本園子
    演出部 高梨智恵美、川上大二郎
    照明部 佐藤綾香、山森栄治
    音響部 稲住祐平、新妻佳奈
    衣裳部 秀島史子
    美術助手 三島香子、堀場陸
    大道具製作 オサフネ製作所、丸八テント商会
    背景 美術工房拓人
    面製作 ゼベット
    運搬 マイド
    宣伝美術 松本弦人
    宣伝写真 間部百合
    宣伝ヘアメイク 廣瀬瑠美
    広報 森明晞子
    営業:大沢清
    票券:金子久美子
    制作 林有布子、小田未希、小森あや
    プロデューサー 小沼知子

    機材協賛 Roland
    協力 precog、スターダストプロモーション、エヴァーグリーン・エンタテイメント、Plage、デューズ、スペースシャワーネットワーク、TASKO inc.、中山英之建築設計事務所

    企画製作 KAAT神奈川芸術劇場
    助成 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 、独立行政法人日本芸術文化振興会(豊橋公演)
    後援 横浜アーツフェスティバル実行委員会(神奈川公演)

    2021年6月5日〜6月26日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
    主催 KAAT神奈川芸術劇場
    2021年6月29日・6月30日 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
    主催 公益財団法人豊橋文化振興財団
    共催 豊橋市
    2021年7月3日〜7月4日 兵庫県立芸術文化センター阪急 中ホール
    主催 兵庫県、兵庫県立芸術文化センター

  • KAAT DANCE SERIES 2020『星の王子さま―サン=テグジュペリからの手紙―』@KAAT神奈川芸術劇場 ホール
    【2020/11/11 19:00〜21:00(途中20分間の休憩あり)】

    声による表現と歌はあるが、セリフはなし。そのため、物語の展開が動きと音のみで表現される。
    たとえば「バラ」も、「花だということは分かるが、薔薇かどうかまでは舞台では分からない(もちろんパンフレットを買えば役柄も分かるし、あらすじやシーン構成も載っている)」みたいな感じではあるが、原作をよく知らなくても、たぶん楽しめる。僕も原作を読了していない身だけど、純粋に面白い舞台だった。

    生演奏を交えた阿部海太郎氏のエッジのある音楽、ヤワフワ(柔らかでフワフワ)感あふれるひびのこずえ氏の衣裳、抽象性でムダ無しの日比野克彦氏の舞台美術。「ザ・森山開次」的な、ある程度、舞台の様子をイメージし得る作品ではあるけれど、それがまた期待を裏切らない。それぞれの分野のプロフェッショナルによるマリアージュ。
    音楽の音色と構成、動き、衣裳…などなど、舞台上で繰り出されるものが全て、予想の斜め上を行く演出。とにかく、観ていて、聴いていて、楽しい。
    (そして、それはつまり、「予算があるってほんと素晴らしい」ってことw)

    あらゆるものが美しくカッコいい舞台。坂本美雨さんの声色、円形舞台の外周をピルエットしながら一周する酒井はなさんの軽やかさ、森山開次さんの身体のシルエット、ダンサーのアンサンブルの動き、などなど。挙げればキリなし。
    丸くカットされた紗幕もキレイだったし、夕日をイメージした球体風の小道具もキレイだったし。照明の色の使い方もキレイだったし。もう一度、細部を観たくなる。

    出演者は皆さんホントに良いのだけど、キツネの島地さんはやっぱり動きが秀逸。(新国立劇場での『イヌビト』のときの犬の動きもそうだったけど)
    あと、エンディングでポワントで踊り、そのまま緞帳が降りきるまでポワントで立ち、踊り続ける酒井さんも印象的。
    もちろん、蛇の森山さんは言わずもがな。動いているなかでのちょっとした静止の身体が素晴らしすぎる。

    上演時間は、途中休憩20分を含む2時間。客席は千鳥配置。客席の割合として子どもが多かったのが印象的。客入れと終演後に流れる、出演者によるものと思われるアナウンスがとっても良い。
    カーテンコールはトリプルで、最後は客席の半分くらいがスタオベ。コロナ禍で遠慮した客が多いと思われるが、若干、ブラボーの声も飛んでた。

    地下鉄最寄り駅の日本大通り駅では、出演者のビジュアルパネル展示も。森山さんの隣で、同じポーズで写ってみたい。

    ハードなスケジュールの合間にわざわざ行くべきか悩んでの観劇だったけど、でも良かった。たくさん刺激をもらった。
    あと、感染防止対策は移動時も含め、かなり注意したつもり。「これで感染するんなら、もう何やっても感染するよ」というほどにw


    KAAT DANCE SERIES 2020
    『星の王子さま―サン=テグジュペリからの手紙―』
    演出・振付・出演 森山開次

    出演
    アオイヤマダ 王子
    小尻健太 飛行士
    酒井はな バラ
    島地保武 キツネ、王様、他
    森山開次 蛇、地理学者、他
    坂本美雨 コンスエロ
    池田美佳 ヒツジ、渡り鳥、点灯夫、バラたち、他
    碓井菜央 ヒツジ、渡り鳥、バラたち、他
    大宮大奨 呑み助、飛行隊、他
    梶田留以 夕日、渡り鳥、バラたち、他
    引間文佳 ヒツジ、渡り鳥、点灯夫、バラたち、他
    水島晃太郎 うぬぼれ屋、飛行隊、他
    宮河愛一郎 実業家、飛行隊、他

    美術 日比野克彦
    衣裳 ひびのこづえ
    音楽 阿部海太郎
    演奏 佐藤公哉、中村大史
    照明 櫛田晃代
    音響 加藤温
    ヘアメイクプラン 赤松絵利 (ESPER)
    演出助手 美木マサオ
    振付助手 梶田留以
    舞台監督 鈴木康郎
    舞台監督補 仙谷昌洋
    舞台部 岸京子、熊木進、川上大二郎
    照明部 溝江郁、成久克也、若狭裕美子、奥出利重子、清水典子
    音響部 遠藤瑶子、竹田雄、中村香澄
    衣装デザイン助手 湯本真由美(ひびのこづえ事務所)
    衣裳部 奈須久美子、本田直美
    ヘアメイクプラン助手 伏屋陽子(ESPER)
    Scenic Art 美術工房拓人
    衣装製作 山本淳一、秋山芳江、粕谷真由美、山本明日香、川井歩実
    ヘアメイク協力 ESPER
    運搬 マイド

    広報 森明晞子、雪原渚
    営業 大沢清
    票券 金子久美子
    制作 小森あや(TASKO inc.)、佐藤梓、加藤夏帆(TASKO inc.)
    プロデューサー 小沼知子
    プロダクション・マネージャー 安田武司、山本園子
    事業部長 堀内真人
    アーティストマネージメント オフィスルウ、OiP、長岡文子、FMG
    宣伝美術 サン・アド (AD ナガクラトモヒコ、Pr 守屋その子、Ph 上原勇)

    2020年11月11日〜11月15日 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
    主催 KAAT神奈川芸術劇場
    後援 横浜アーツフェスティバル実行委員会
    2020年11月21日 まつもと市民芸術館 主ホール
    主催 一般財団法人松本市芸術文化振興財団、MGプレス
    後援 松本市、松本市教育委員会
    2020年12月5日・5日 京都芸術劇場 春秋座
    主催 学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センター(旧名称:京都造形芸術大学)
    2020年12月12日 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
    主催 兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
    文化庁文化芸術振興費補助金(劇場、音楽堂等機能強化推進事業)
    独立行政法人日本芸術文化振興会