KAAT DANCE SERIES 2020『星の王子さま―サン=テグジュペリからの手紙―』@KAAT神奈川芸術劇場 ホール
【2020/11/11 19:00〜21:00(途中20分間の休憩あり)】

声による表現と歌はあるが、セリフはなし。そのため、物語の展開が動きと音のみで表現される。
たとえば「バラ」も、「花だということは分かるが、薔薇かどうかまでは舞台では分からない(もちろんパンフレットを買えば役柄も分かるし、あらすじやシーン構成も載っている)」みたいな感じではあるが、原作をよく知らなくても、たぶん楽しめる。僕も原作を読了していない身だけど、純粋に面白い舞台だった。
生演奏を交えた阿部海太郎氏のエッジのある音楽、ヤワフワ(柔らかでフワフワ)感あふれるひびのこずえ氏の衣裳、抽象性でムダ無しの日比野克彦氏の舞台美術。「ザ・森山開次」的な、ある程度、舞台の様子をイメージし得る作品ではあるけれど、それがまた期待を裏切らない。それぞれの分野のプロフェッショナルによるマリアージュ。
音楽の音色と構成、動き、衣裳…などなど、舞台上で繰り出されるものが全て、予想の斜め上を行く演出。とにかく、観ていて、聴いていて、楽しい。
(そして、それはつまり、「予算があるってほんと素晴らしい」ってことw)
あらゆるものが美しくカッコいい舞台。坂本美雨さんの声色、円形舞台の外周をピルエットしながら一周する酒井はなさんの軽やかさ、森山開次さんの身体のシルエット、ダンサーのアンサンブルの動き、などなど。挙げればキリなし。
丸くカットされた紗幕もキレイだったし、夕日をイメージした球体風の小道具もキレイだったし。照明の色の使い方もキレイだったし。もう一度、細部を観たくなる。
出演者は皆さんホントに良いのだけど、キツネの島地さんはやっぱり動きが秀逸。(新国立劇場での『イヌビト』のときの犬の動きもそうだったけど)
あと、エンディングでポワントで踊り、そのまま緞帳が降りきるまでポワントで立ち、踊り続ける酒井さんも印象的。
もちろん、蛇の森山さんは言わずもがな。動いているなかでのちょっとした静止の身体が素晴らしすぎる。
上演時間は、途中休憩20分を含む2時間。客席は千鳥配置。客席の割合として子どもが多かったのが印象的。客入れと終演後に流れる、出演者によるものと思われるアナウンスがとっても良い。
カーテンコールはトリプルで、最後は客席の半分くらいがスタオベ。コロナ禍で遠慮した客が多いと思われるが、若干、ブラボーの声も飛んでた。
地下鉄最寄り駅の日本大通り駅では、出演者のビジュアルパネル展示も。森山さんの隣で、同じポーズで写ってみたい。
ハードなスケジュールの合間にわざわざ行くべきか悩んでの観劇だったけど、でも良かった。たくさん刺激をもらった。
あと、感染防止対策は移動時も含め、かなり注意したつもり。「これで感染するんなら、もう何やっても感染するよ」というほどにw
KAAT DANCE SERIES 2020
『星の王子さま―サン=テグジュペリからの手紙―』
演出・振付・出演 森山開次
出演
アオイヤマダ 王子
小尻健太 飛行士
酒井はな バラ
島地保武 キツネ、王様、他
森山開次 蛇、地理学者、他
坂本美雨 コンスエロ
池田美佳 ヒツジ、渡り鳥、点灯夫、バラたち、他
碓井菜央 ヒツジ、渡り鳥、バラたち、他
大宮大奨 呑み助、飛行隊、他
梶田留以 夕日、渡り鳥、バラたち、他
引間文佳 ヒツジ、渡り鳥、点灯夫、バラたち、他
水島晃太郎 うぬぼれ屋、飛行隊、他
宮河愛一郎 実業家、飛行隊、他
美術 日比野克彦
衣裳 ひびのこづえ
音楽 阿部海太郎
演奏 佐藤公哉、中村大史
照明 櫛田晃代
音響 加藤温
ヘアメイクプラン 赤松絵利 (ESPER)
演出助手 美木マサオ
振付助手 梶田留以
舞台監督 鈴木康郎
舞台監督補 仙谷昌洋
舞台部 岸京子、熊木進、川上大二郎
照明部 溝江郁、成久克也、若狭裕美子、奥出利重子、清水典子
音響部 遠藤瑶子、竹田雄、中村香澄
衣装デザイン助手 湯本真由美(ひびのこづえ事務所)
衣裳部 奈須久美子、本田直美
ヘアメイクプラン助手 伏屋陽子(ESPER)
Scenic Art 美術工房拓人
衣装製作 山本淳一、秋山芳江、粕谷真由美、山本明日香、川井歩実
ヘアメイク協力 ESPER
運搬 マイド
広報 森明晞子、雪原渚
営業 大沢清
票券 金子久美子
制作 小森あや(TASKO inc.)、佐藤梓、加藤夏帆(TASKO inc.)
プロデューサー 小沼知子
プロダクション・マネージャー 安田武司、山本園子
事業部長 堀内真人
アーティストマネージメント オフィスルウ、OiP、長岡文子、FMG
宣伝美術 サン・アド (AD ナガクラトモヒコ、Pr 守屋その子、Ph 上原勇)
2020年11月11日〜11月15日 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
主催 KAAT神奈川芸術劇場
後援 横浜アーツフェスティバル実行委員会
2020年11月21日 まつもと市民芸術館 主ホール
主催 一般財団法人松本市芸術文化振興財団、MGプレス
後援 松本市、松本市教育委員会
2020年12月5日・5日 京都芸術劇場 春秋座
主催 学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センター(旧名称:京都造形芸術大学)
2020年12月12日 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
主催 兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場、音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
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