観るのも演るのも日々是好日!

演劇界に生きる男の観劇記録

SPAC-静岡県舞台芸術センターで俳優やってます!

倉敷幼稚園→粒江幼稚園→粒江小学校→倉敷南中学校→総社南高等学校→大阪教育大学

関心あるモノ・コト = 演劇/LEGO/昭和歌謡からJ-POP/字を書くこと/フィギュアスケート鑑賞/温浴施設めぐり/乗り鉄/旅行/睡眠

  • 劇団papercraft第11回公演『昨日の月』@彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
    【2025/1/17 14:00〜15:50(途中休憩なし)】

    折り込まれていたチラシのデザインや写真が好みだったのと、主演が『虎に翼』の小橋役やモダンスイマーズの舞台で気になっていた名村辰さんで、ほかにも福田麻由子さん(『女王の教室』や『白夜行』に、『ちびまる子ちゃん』の姉!)や加藤貴子さん(元Lip’s!)など気になる人も出ていたので、観劇。作・演出は主宰の海路(みろ)氏。企画制作はアミューズ。

    近未来っぽい設定で、自分の「昨日」もしくは「明日」を売ることができる(終日販売、と呼ばれている)社会が舞台。終日販売は、どちらかというとコソコソ隠れて行うイメージ、という設定。そこに「月に住んでいたが迫害されて地球で素性を隠して暮らしている人々」が絡んだり、「月が無くなって、新しい月が新たに造られて誕生する」世の中だったり、という設定も加わってくる。
    SFファンタジーっぽい雰囲気の印象ではあるが、描かれているのは「思春期の青年のモヤモヤした想い」だろうか。全体的に重めのトーンな舞台で、閉塞感がある。
    なお、結末としては、名村さん演じる大野歩が、新しい月になる前の日(つまり今の月の最後の日)に、昨日も明日も売る(永遠に今日を繰り返すことになる)決意をし、同じ日が何度も繰り返されることを示唆して幕。

    名村さんは、屈折した複雑な感覚の大野歩を、繊細に大切に紡いでいて好印象。昭和に生まれていたら吉岡秀隆系の俳優な感じ。(富良野塾のオーディションに受かっていたようなので、まさにw)
    歩の父親と、終日販売の売人の二役を演じた村上航さんの、ちょっとニヒルでアンニュイな感じの雰囲気も良かった。
    福田麻由子さんや加藤貴子さんもすごく役柄に合っていたし、月人で風俗嬢の井上向日葵さんの、「スパイス」ではなく「みりん」「はちみつ」的な存在感も独特で良かった。彼女の場面で必ず敷かれる赤いビニールシートも印象的。

    雰囲気はすごくあって嫌いじゃない感じなんだけど、ちょっと私小説っぽいというか個人的な日記というか同人誌的というか、どことなくそういう感じがあって、もう少し観客を意識して開いた感じの作風でもいいかな、とも思う。
    次回は、夏にKAATの大スタジオでの新作上演らしい。観に行くかどうかは出演者の顔ぶれ次第かな…という感じではある。

    物販では、チラシデザインをアレンジしたポストカードを、1枚1000円で販売。「高っ!」とも思うが、裏面にQRコードが載っていて、読み込むと上演台本が読める仕組みに。台本を紙で買うほどではないが、読んでみたい、という人にはとても嬉しいグッズだ。


  • た組『ドードーが落下する』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
    【2025/1/16 19:00〜21:00(途中休憩なし)】

    加藤拓也氏の作・演出。再演ではあるものの、演出家の言によれば、演出も戯曲も初演から随分と手を加えられているようだ。(初演は未見。YouTubeで初演を全編観られるので、後日視聴予定)
    神奈川公演の後、大阪、三重、茨城でも公演あり。

    空間が伸び縮みするような印象の舞台美術も良い。蛍光灯のほんのりと薄気味悪い感じも良い。箱庭のような壁の小棚(壁への昇り降りの階段としても使用)も良い。ひと回り小さいサイズの小道具も良い。その場には登場しない人物たちが、目の前で繰り広げられている場面を無表情で傍観しているミザンスも良い。役柄ごとの衣裳のカラーコーディネートのチョイスも良い。統合失調症を体現する、主役の平原テツさんも良い。なんだかずーっと観続けられてしまう演出も良い。

    ただ、戯曲そのものが、自分にはいまひとつしっくり来ず。同じ加藤拓也氏の作品『いつぞやは』に近い印象で、演出とか見せ方にしても、次々に場面が展開していく感じとか、いろんなところから俳優が出たり入ったりする感じとか、ちょっと観客を煙に巻く感じとか、『いつぞやは』の手法をなぞっている感もあり…(『いつぞやは』が、『ドードーが落下する』初演をなぞってるのかもしれないけど)
    もしかしたら、平原テツさん演じる夏目が初演よりクローズアップされ、今回は「夏目の物語」になっているのかも。(初演時は、信也役の藤原季節さんがトップクレジットで、今回の再演での信也役は秋元龍太朗さん)
    『在庫に限りはありますが』『もはやしずか』『綿子はもつれる』みたいな、1幕もの(あるいはそれに近いような作品)の加藤拓也演出のほうが、僕は好きなんだと思う、いまのところ。

    あと、平原テツさんは主演に据えるより、二番手三番手あたりで狂気を垣間見せるほうが活きるような気もして。主演が平原さんだと「役者としての完全一人勝ち」感が出て、作品そのものの印象が薄れるような…(それだけ達者ということでもあるが)

    平原さん以外では、秋元龍太朗さんや鈴木勝大さんの、本心が見えにくい感じとか、手堅い安定感ある演技が良かった。あと、諫早幸作さんの、バイト先の店長も印象に残る。


  • serial number12『YES MEANS YES』@下北沢 ザ・スズナリ
    【2025/1/16 14:00〜15:40(途中休憩なし)】

    新ドラマ『御上先生』の脚本担当でもある詩森ろば氏の最新作は、スウェーデンの「Yes Means Yes法」をモチーフに、結婚5年目の女性・佳恵(内田慈)のモノローグを通して、性被害/性加害が描かれる。
    客層は、予想に反して年配男性の割合が多い。どういった客層にヒットしたのか、個人的に気になるところw

    中学時代の部活の顧問との関係、大学時代の彼氏とその友人との関係、夫との関係、女同士での性に関わるあけすけな会話、カウンセラーとのやり取り、不妊治療に悩む友人との会話…断片的に、多層的に、佳恵の人生が見えてくる中で、「たったひとりの、一見幸せそうな人生を送っているように見える女性でさえ、こんなにも複雑でシリアスな悩みや不安(もちろん、性にまつわるものも含む)が渦巻いているのか…」と驚きを隠せない。
    同時に、自分の身の回りにも、「何でもない風を装って、でも、そう装うことで擦り減っている人たち」が、きっとたくさんいるであろうことは容易に想像できてしまって、「舞台を通して見えてくる現実」にパンチを喰らったような気持ちにも。

    モノローグ、とは言ったものの、正確には内田さんのほかに4人の若手男性が登場する。
    リビングを模したような二間四方くらいの空間の外側の四隅を、男性が取り囲むように座る。男性は、時に佳恵の夫・啓吾のセリフを四隅から4人でリレーするように喋り、時に夫以外の登場人物(顧問教師ハル/大学時代の元彼ナツ/元彼の友人アキ/カウンセリングで知り合ったゲイの男性フユ、など)としてリビング空間で演技をしたり。
    5人とも出ずっぱりで、佳恵は感情の起伏が激しい場面もいくつかあり、すごく集中力と体力を要す舞台。

    男優4人は全員実年齢20代で、キャラや醸し出す雰囲気が絶妙に異なり、佳恵の夫にしては若い印象だが、そこも含めて良かった。夫・啓吾というひとりの人格を演じる時は「4人の個性の差」が上手く活きて、それがひとつに融合するような良さがあったし、各自が担当したそれぞれの登場人物はそれぞれの役柄が、演じる俳優の持ち味に上手くマッチしていたように思う。
    中でも、フユを演じた諏訪珠理さん、声の細さや優しい語り口が役柄に合っていて、「弱そうだけど、でも、強くおおらかな感じ」が印象に残る。

    どこへどう着地するのか読めない展開は、互いの想いを吐露した夫婦が、話し合いを経て、「YES」のやり取りを繰り返しながら会話をするラストへ。もつれていた糸がほどけていくような、堆積していたものが取り除かれて少しずつ水が流れ出すような、優しいエンディングを迎える。
    失われた20年を取り戻す(正確には、失われたままで取り戻せはしないのだけど)取っ掛かりを見つけた佳恵に、幸あれ!

    「被害者だけど加害者だ」というようなセリフだったり、「自分に合わせてくれる相手に対して、自分が先回りして相手の好みを応える、その『気楽に本音が言えない』しんどさ」だったり、「相手を思いやるがゆえに感じるモノ」も色々と描かれている。
    性的同意の話ではあるけれど、その根底には「相手を思いやる大切さと難しさ」「会話をする大切さと難しさ」みたいなメッセージもあって、ずっしりと重く、濃密な舞台。心がぐったりと疲労感に襲われつつ、でも、観られて良かった作品であることも確かだ。(『御上先生』への期待も高まる!)


  • 新国立劇場 演劇 2024/2025シーズン『白衛軍 The White Guard』@新国立劇場 中劇場
    【2024/12/17 14:00〜17:10(途中20分間の休憩あり)】

    作品的に難解そうなイメージがあったため、観劇を少し迷ったのだが、個人的に注目している俳優が何人か出ており、新国立劇場制作の作品ということもあり、観劇。
    「戦争を下地にしたチェーホフ」という雰囲気もあり、たとえば、会話中の抜け感とか、恋愛模様が見え隠れする感じとか、明確な主役が分かりにくい群像劇な感じとか、そのあたりはかなりチェーホフ的。チェーホフほど、会話が成り立っていない感じではないけれど。(『ワーニャ伯父さん』の引用、「ホッと一息つけるんだわ」なども出てくる)

    ただ、ベースとなる、現代の日本人には分かりにくい「1918年のロシア革命後のウクライナの様子」についての情報量が多く、それらを分かりやすくセリフで説明されるわけでもないので、物語を追うためにすごく頭を使う作品。
    ウクライナにまつわるあれこれの予備知識が、あらかじめ頭に入っているなら、だいぶ観やすくなるとは思う。(なので、『悲劇喜劇』最新号に掲載されている戯曲を読んでから観たほうが良いかも)
    そして、そういった「観客には明示されない当時の時代性のような部分」を、俳優たちは根底に持っていなければならず、演じる側も緻密な作業が求められそうな作品。(出演者は文学座系の俳優と、新国立劇場研修所出身者が多く、いわゆる新劇系の芝居の作品)

    幕開き、劇場奥からトゥルビン家の屋敷の舞台装置が客席に近づいてくる(スライディングステージ)演出で、4面舞台を有する中劇場ならではの仕掛け。カッコいい。
    主人公の士官候補生ニコライ(村井良大)がギターを弾いて歌うのが好きという設定だったり、中尉レオニード(上山竜治)がオペラを嗜む設定だったりと、歌が作品を包む要素になっているのが構造的に良く、しかもふたりとも歌声が抜群に良い。

    主人公は村井良大さん演じるニコライだと思うのだが、実は出番はそう多くない。ただ、ラストシーンはニコライにかかっているので、非常に重要な役どころではある。歌声が、力強いのにクセがなく、非常に耳触りが良い。最近注目している俳優のひとり。

    ラリオン役の池岡亮介さんも注目している俳優のひとりだが、今回は道化的なお調子者の役割も担っていて、こういう「はっちゃけた」役も、やり過ぎない感じでなかなか上手い。勢いだけで演じていない、地頭の良さそうな感じも良い。

    レオニード役の上山竜治さんも、難しい役どころをチャーミングに好演。吉本アイドルの「RUN&GUN」時代から知っている身としては、「こんな立派になって!」感が過ぎるw

    出演者の中で女性は、レーナ役の前田亜季さんのみ。めちゃくちゃ良い演技をしていて、「素敵な女優さんになってる!」と思ってしまったほど。衣裳さばきや小道具の扱い方、表現としての手の使い方など、細かなところもさり気なく上手く、「将来的に舞台を主戦場に活躍する大女優」への片鱗を感じさせる。いつか『欲望という名の電車』のブランチとか演じそう。

    そのほか、ニコライやレーナの兄アレクセイ役の大場泰正さんをはじめ、石橋徹郎さん、内田健介さんなど、トゥルビン家に集う人々もそれぞれに好演。
    大鷹明良さんは二役務めていたが、学校の用務員のようなマクシム役が、非常に味わい深く、戦時下における弱き者の代弁者のようでいて印象的だし、戦死者に花を手向ける、セリフの無い短い場面の演技も印象的だった。

    俳優も演出も概ね高評価で、印象的な良いセリフも多く、観てしまえば「いい舞台だった」と思えると思うのだが、演劇通好みなキャスティングであり、いかんせん、観劇したいと思わせるまでのハードルが少し高すぎるイメージ(チラシも少し格調高すぎた気もする。馬は出てこないし…)。
    一昨年の『レオポルト・シュタット』にも似た印象ではあるが、『白衛軍』のほうがライトではある。上演時間は『白衛軍』のほうが長いけれど。
    平日の昼公演で、客入りは4分の1ほど。色々ともったいない…むむむ。
    『白衛軍-トゥルビン家の日々-』みたいに、何かサブタイトルを付けても良かった気もする。(ブルガーコフ自身は、小説を『白衛軍』、戯曲を『トゥルビン家の日々』として発表している)


    新国立劇場 演劇 2024/2025シーズン
    『白衛軍 The White Guard』
    作 ミハイル・ブルガーコフ
    英語台本 アンドリュー・アプトン
    翻訳 小田島創志
    演出 上村聡史

    ニコライ・ヴァシーリエヴィチ・トゥルビン(士官候補生) 村井良大
    アレクセイ・ヴァシーリエヴィチ・トゥルビン(ニコライの兄、砲兵大佐) 大場泰正
    エレーナ(レーナ)・ヴァシーリエヴナ・タリベルク(ニコライの姉) 前田亜季
    ヴィクトル・ヴィクトロヴィチ・ムイシラエフスキー(砲兵二等大尉) 石橋徹郎
    ラリオン・ラリオノヴィチ・スルジャンスキー(トゥルビンのいとこ、学生) 池岡亮介
    ウラジミール・ロベルトヴィチ・タリベルク(レーナの夫、参謀本部大佐) 小林大介
    レオニード・ユリエヴィチ・シェルビンスキー(槍騎兵隊中尉、現在ゲトマンの親衛副官) 上山竜治
    アレクサンドル・ブロニスラヴォヴィチ・ストゥジンスキー(大尉) 内田健介
    フョードル(ゲトマン宮殿の従僕) 大鷹明良
    ゲトマン(ウクライナ反革命政権の統領でドイツの傀儡) 采澤靖起
    フォン・シュラット(ドイツ軍将軍) 前田一世
    フォン・ドゥスト(ドイツ軍中尉) 今國雅彦
    ドイツ軍軍医 山森大輔
    宮殿の兵士1(声のみ) 西原やすあき
    宮殿の兵士2(声のみ) 松尾諒
    宮殿の兵士3(声のみ) 笹原翔太
    宮殿の兵士4(声のみ) 草彅智文
    ボルボトゥン(ベトリューラ軍の第一騎兵大隊長) 小林大介
    フランコ(ボルボトゥンの当番兵) 西原やすあき
    キルパートゥイ(ボルボトゥンの部下) 武田知久
    ウラガン(ボルボトゥンの部下) 草彅智文
    ガラニバ(ペトリューラ軍のコサック百人隊長) 駒井健介
    コサック兵(脱走兵) 前田一世
    靴屋 山森大輔
    マクシム(学監) 大鷹明良
    将校1(中尉) 西原やすあき
    将校2(中尉) 駒井健介
    将校3(中尉) 今國雅彦
    士官候補生1 笹原翔太
    士官候補生2 松尾 諒
    士官候補生3 采澤靖起
    士官候補生4 武田知久
    士官候補生5 山森大輔
    士官候補生6 前田一世
    士官候補生7 草彅智文

    美術 乗峯雅寛
    照明 佐藤啓
    音楽 国広和殺
    音響 加藤温
    衣裳 半田悦子
    ヘアメイク 川端富生
    アクション 渥美博
    演出助手 中嶋彩乃
    舞台監督 北条孝、加瀬幸恵

    演出部 飯田大作、稲生親紀、北林勇人、後藤容孝、高橋邦智、平石尚子、明神杏奈、沼田梨沙、伊藤真
    ヘアメイク 木村久美、荒井秀美
    美術助手 酒井佳奈
    音響助手 橋かおり
    稽古場代役 都築亮介
    プロンプ 日沼りゆ
    大道具 俳優座劇場(井戸元洋)
    小道具 高津装飾美術(財前光子)
    小道具製作 土屋工房(土屋武史)
    特殊小道具 アトリエカオス(田中正史)
    特殊効果 戸井田工業、ローカスト、山縣商店
    衣裳 松竹衣裳(清水崇子、大野遥奈、北條祐介)
    衣裳製作 横田裕二、佐藤美香、藤崎美香
    帽子製作 シャポーヌ(下重恭子)
    履物 アーティス(大石雅章)
    電飾 イルミカ東京(中村徹)
    協力 ニケステージワークス
    観劇サポート イヤホンガイド、篠原初実、持丸あい(音声ガイド)、文化庁委託事業「令和6年度障害者等による文化芸術活動推進事業」
    舞台・照明・音響操作 新国立劇場技術部、シアターコミュニケーションシステムズ、アート・ステージライティング・グループ、フリックプロ、吉田信夫(舞台)、鈴木かおり(照明)、青木駿平(音響)、村上武志(大道具)

    制作助手 林弥生、小川真理
    制作 中柄毅志、伊澤雅子
    プロデューサー 三崎力
    芸術監督 小川絵梨子
    主催 新国立劇場

    2024年12月3日〜22日 新国立劇場 中劇場

  • シス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV Vol.4/4『桜の園』@世田谷パブリックシアター
    【2024/12/16 13:00〜15:55(途中15分間の休憩あり)】

    2020年春に上演が予定されるも、初日目前にコロナ禍の緊急事態宣言の影響で上演中止になった企画が、キャストを半分ほど入れ替える形で、会場もシアターコクーンから世田谷パブリックシアターへと替え、4年越しに上演。
    4年前のキャストよりも演劇通好みな俳優陣となり、作品としての完成度的には、結果的にこれで良かったのかも。『桜の園』を上演するには、世田谷パブリックシアターでは舞台が狭すぎる感じではあったが。

    これまで観てきた『桜の園』のなかで、新劇寄りな演出のものとしては、一番しっくりくる『桜の園』であった。演出自体は、それほど奇をてらったものではなく、わりと商業演劇な感じというか、原作知らない人でも楽しめるし分かりやすい感じ。2幕で客席から登退場するのと、幕間の転換で、舞台装置の転換と並行しながら小野寺修二さんによるステージングの演出が挿入されていることが、演出面での変化球か。

    なにより配役が絶妙で、この座組で上演したからこそ成功した舞台と言えよう。
    出演者それぞれの実年齢が、それぞれの役柄の年齢よりも上の人(あるいは下の人)が多く、普通にキャスティングした場合、少し違和感のある配役だとは思うのだが、それが今回の場合は上手くハマっていたように思う。

    天海祐希さんのラネーフスカヤの麗しいこと!黙って立っているだけでも説得力のある立ち姿の素晴らしさ、漫才で言う「ボケとツッコミ」のような「演技の受けと攻め」の使い分け、浮世離れしたような存在感など、どの瞬間を切り取っても、まさしくラネーフスカヤの一つの完成形。各幕の衣裳はどれも、身長があるから見栄えがする。(4幕の黒いロングコートはメーテルのようで良きw)

    池谷のぶえさんのドゥニャーシャは、やり過ぎてギャグになるギリギリ手前を攻め、「自分が見えてない勘違い女」を、普通は観客の共感を得られないような造形になりそうなところ、観客を味方につけるような好演ぶり。「鼻につかないぶりっ子」という、ある意味、画期的なドゥニャーシャw

    峯村リエさんのワーリャも斬新で、ロパーヒンへの想いをギャグ的に出しつつ、家長としてのしっかり者感も体現し、「ワーリャとしての葛藤」がよく見える演技。いわゆる「ギスギス」「トゲトゲ」感がマイルドに仕上がっていて、とてもチャーミングなワーリャに。衣裳のデザインと相まって、スタイルがとても美しく見えたのも良かった。

    浅野和之さんのフィールスも、単に老いているだけでなく、時の流れまでも彼の中では過去で止まっているかのような、ほかの人物たちとは異質な存在感を醸し出せていて、それが4幕ラストでグッと活きてくる。「ラネーフスカヤと話していても眼中にあるのはガーエフだけ」みたいな身体のフォーカスの作り方も良かった。

    そのガーエフの山崎一さんも、この座組では少し弱いかと思いきや、ついつい喋りすぎてしまう感じとか、悪気が全く無いのに地雷を踏んでしまう感じとかも上手く、「前に前にと出しゃばってはこないのに、確かにそこにいる存在感」で魅せてくれた。

    エピホードフの山中崇さん、ヤーシャの鈴木浩介さん(お高く気取った嫌な奴感がすごいw)、トロフィーモフの井上芳雄さん(薄毛のカツラ&メガネで冴えない感じを熱演)、シャルロッタの緒川たまきさん(出てくるたびに手品がいくつか披露され、手品の種類が相当ある!)、アーニャの大原櫻子さん、ピーシチクの藤田秀世さんらも、それぞれに良い仕事ぶり。
    本当に適材適所というか、それぞれの役柄を生かす役者が揃った感じ。

    そして、今回の舞台でのMVPは、個人的には、荒川良々さんのロパーヒン。もうちょっとサイケデリックな感じで来るかと思いきや、彼の持ち味とも言える朴訥な感じや間の悪い感じを活かしつつ、農奴出身の成り上がり感や劣等感、卑屈になるが故に自分を大きく見せようとする感じなど、色々な人が想像するロパーヒン像が、満遍なく体現化されていた印象。ただの成金とも違う、ただの嫌な奴とも違う、非常に複雑な感覚が、荒川良々さんの肉体を通じて表現されていたように思う。
    そして、想像以上にスタイルが良い(足が長い!)。天海祐希さんと並んで、見劣りしないで絵になるのも良かった。

    東京のあと、大阪と福岡でも上演。チケットは早々に完売し、当日券も争奪戦な感じだし、何よりチケット代もそれなりにするが、3時間立ち見だとしても、観てみる価値はあるかも。


    シス・カンパニー公演
    KERA meets CHEKHOV Vol.4/4
    『桜の園』
    作:アントン・チェーホフ
    上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

    ラネーフスカヤ夫人:天海祐希
    トロフィーモフ:井上芳雄
    アーニャ:大原櫻子
    ロパーヒン:荒川良々
    ドゥニャーシャ:池谷のぶえ
    ワーリャ:峯村リエ
    ピーシチク:藤田秀世
    エピホードフ:山中崇
    ヤーシャ:鈴木浩介
    シャルロッタ:緒川たまき
    ガーエフ:山崎一
    フィールス:浅野和之
    通りすがりの男、下男:猪俣三四郎
    下男:矢部祥太
    駅長、下男:吉澤宙彦

    美術:松井るみ
    照明:関口裕二
    音響:水越佳一
    衣装:安野ともこ
    ヘアメイク:宮内宏明
    ステージング:小野寺修二
    舞台監督:福澤諭志
    プロデューサー:北村明子

    演出助手:加藤由紀子
    美術助手:平山正太郎
    照明操作:三嶋聖子、福山莉子、森山紗貴
    音響操作:常田千晴、久保勇介
    衣装助手:藤井やすのり、赤嶺愛海
    現場ヘアメイク:菊池泰子、黒田はるな、木戸望
    ステージング助手:崎山莉奈
    演出部:鷲北裕一、宇野圭一、山松由美子、長谷川ちえ、井上悠介
    衣装部:古田亜希子、松野美保
    ギター演奏・指導:伏見蛍
    マジック指導:ダーク和秋
    制作【進行】:鈴木瑛恵、市瀬玉子、市川美紀、土井さや佳、井上果穂
    制作【票券】:笠間美穂、安田千秋
    制作【宣伝】:西村聖子
    制作【WEB】:垣ヶ原将
    制作【アシスタントプロデューサー】:吉澤尚子

    大道具制作:(株)シー・コム(伊藤清次)、(有)美術工房拓人
    植栽:櫻井忍
    小道具:(株)藤浪アート・センター(浅海敬)
    衣装制作:諫山真澄、梅田麻里、岸久理、佐野明香、高崎あゆみ、高橋由美、土橋智子、原みちこ、見上真紀、伊島青、青木美侑、徳蔵涼海、チーシャプロジェクト
    履物:(株)アーティス(大石雅章)
    運搬:(株)マイド

    台本協力:肥田光久
    協力:明星真由美、(株)センターラインアソシエイツ、(有)バランス、モックサウンド、(株)アントラクト、コラソン(有)、井上薫、中村のん、伊島薫、(株)CASUCA、DAVIDS CLOTHING、DORIAN GRAY、Mindbenders & Classics、suzuki takayuki、(株)内田染工場、松竹衣裳(株)、(株)東宝コスチューム、突撃洋服店、クエルポ、M’s factory、(株)デラシネラ、(株)STAGE DOCTOR、albatross guitar works、(株)三響社、スタジオAD、(株)gaaboo、(株)movel、(株)ストロボライツ、新宿村スタジオ(稽古場)
    マネージメント協力:(株)キューブ、(株)研音、(有)グランアーツ、大原櫻子事務所、(有)大人計画、(株)ダックスープ、krei(株)、(有)ザズウ、(株)ラウダ、kitokito、(株)円企画

    【東京公演】提携:公益財団法人せたがや文化財団、世田谷パブリックシアター
    【東京公演】後援:世田谷区
    【大阪公演】運営協力:(株)サンライズプロモーション大阪
    【福岡公演】主催:九州朝日放送(株)、(株)FM FUKUOKA、シアターマネジメント福岡(株)、(株)サンライズプロモーション東京
    【福岡公演】後援:福岡市

    企画・製作:シス・カンパニー

    2024年12月8日〜27日 世田谷パブリックシアター
    2025年1月6日〜13日 SkyシアターMBS
    2025年1月18日〜26日 キャナルシティ劇場

  • 江戸糸あやつり人形結城座『渡辺えり版 星の王子さま』@シアタートラム
    【2024/10/3 19:00〜20:50(途中休憩なし)】

    以前SPACに在籍していた舞台スタッフが結城座で操演していて、いつか観に行きたいと思いつつ、しかし、ずっと行けず…
    でも、今回は渡辺えり氏の作演出だし、歌舞伎『マハーバーラタ戦記』でご一緒した新内多賀太夫さんも客演されているし…ということもあり、やっとこさ観劇。初の結城座。
    客層は中高年以上がかなり多く、8割ほどの埋まり具合。

    『星の王子さま』といっても、そこは渡辺えり氏の戯曲なので、「星の王子さま」を劇中劇として取り込み、「人魚姫」の物語もモチーフとして使い、ストーリーテラーの役割も兼ねた「学校の先生と生徒たち」という外枠を用意し、パイロットにはサン=テグジュペリの半生を投影し、「星の王子さま」の本編と外枠の物語が、並行しながら進んでいくような構成に。
    演出の印象としては「明るいアングラ」とでも形容すべきか。あくまでイメージだけど、「野田秀樹風に演技演出された唐十郎戯曲」みたいなw

    結城座の方々は、基本的には黒衣の格好で人形を操りながらセリフを喋り(ラスト近くでは、人形は操演するが和装に着替えて顔も出す)、客演の人たちは普通に俳優として登場し、「人形と人間の共演」というスタイルで、「王子さまが人形で、パイロットが人間」という組み合わせは上手く活きていたと思う。
    ただ、クラスメイトや先生が、人形と人間が混在していたのは、悪くはなかったのだけど必然性はあまり感じられず…(「人形のクラスメイト3人が唐突に人魚になる(下半身だけ魚になる)」場面は、人間でやるには難しく、人形でやることの良さが出てはいた)

    観劇が初日だったためか、いろいろとハプニング的な事も多く、「舞台装置のパネルを、観客からは見えない舞台上で付け替えたりしてる時の作業音が観客に丸聞こえ(その間も舞台では演技続行中なのだがセリフの後ろで「ガタンガタン!」と。しかも、パネルの付け替えがスムーズではなく、かなり時間がかかる仕組み)」とか、「観客に見える状態での舞台装置の転換で、本当は取り外したいものがうまく外れず、そのままにして次の場面へ」とか、「舞台装置の段差のあるユニットから、人形遣いが演じながら降りるときに派手に転ぶ」などなど、列挙すればほかにもあるのだが、まあそういう感じ。

    時間や空間があちこちに飛ぶ設定で、場面転換がとても多いのだが、その転換の時間が活きている(演出上、上手く処理されている)ところと、そうでないところの差が結構あって、それも気になったし、作品の世界観的には今回の装置の必然性は分かるのだが、人形とのバランスやシアタートラムの舞台サイズ的には、舞台装置が少し大きい&物量が多い(=それにより舞台転換も大掛かりにならざるを得ない)のも気になった。

    特に、背景画を兼ねた、分割された4枚(もしかすると6枚だったかも)のパネルは、「もっと違う方法がなかったのかな…」と思った。
    脚にキャスターが付いていて、裏表で回転して使えるようになっているのだが、回転した裏側に別の背景パネルを取り付けたり外したりする仕組みになっていて、この取り外しが「観ていて気になる」レベルだった。おそらく「3面使える三角柱の形状」を用意すれば、転換は圧倒的に楽になるはずなのだが…

    元SPACの出演者は、ストーリーテラーを兼ねた3人の女子高生のひとりとして、ちょっと不良系の女の子の人形を操演。セリフの内容的には、渡辺えりさんの本音を喋るような役どころ、なのかも。
    セリフはめちゃくちゃ明晰で演技力もあるし、人形の扱いもなかなかで、操演する女優として立派に活躍されていた。
    結城座の人形は、操り糸が何本もあって、細かく人間のように動かすことができる反面、操作はとても難しそうだった。ふたりがかりで動かしてちょうど良さそうな感じのものを、ひとりで操り、しかも、役のセリフまで喋り。それを楽しそうに生き生きとやっている彼女の様子も、とても良かった。

    新内多賀太夫さんは今回が俳優初挑戦ということらしいのだが、この「唐十郎風というか野田秀樹風というか」なアングラ世界観に妙にピタリとハマっていて、なんだか「令和アングラ界の新星」みたいなオーラもあったw
    音楽をやっている方だからなのか、セリフの「情感と語り(エモーションとメロディ)の共存」が上手い。エモーショナルになりすぎると語り方(メロディ)が疎かになりがちだし、語り方を意識しすぎるとエモーションが疎かになりがちなのだが、多賀太夫さんはその両方を上手い塩梅で調整できていた印象。外枠の「学校の先生」という役柄的にも、それがやりやすいポジションではあったけど。
    そして、劇中音楽も担当されているからだと思うが、ところどころでは、三味線を手に生演奏の奏者としても登場。本作において結構なご活躍ぶり。
    (たぶんだけど、俳優の多賀太夫さんは、SPAC作品やSPAC俳優と相性がいいと思うw)

    かなりの意欲作なんだけど、結城座と渡辺えり演出の「組み合わせ」という点で、ちょっともったいない感じも残る。新しいことに貪欲に取り組んでいきたいのか、伝統をしっかりと継承していきたいのか、その狭間で、やや揺れ動いているようにも感じられた。


    江戸糸あやつり人形結城座
    『渡辺えり版 星の王子さま』
    原作 サン=テグジュペリ
    作・演出 渡辺えり

    両川船遊 フェネック、風子、王様
    結城孫三郎 星の王子さま
    結城育子 陸子、点灯夫
    湯本アキ 波子、実業家、 薔薇たち
    小貫泰明 コンドル、うぬぼれ男、星野くん
    大浦恵実 コンスエロ、呑み助、王子くん、薔薇たち
    中村つぐみ 弘、アルマジロ、地理学者、ヘビ、特高警察
    安藤光 ダンサーたち、特高警察、薔薇たち
    柿崎園子 ダンサーたち、薔薇たち
    新内多賀太夫 渡邉真紀夫先生、新内弾き語り
    吉田裕貴 男【サン=テグジュペリ】
    多岐川装子 ブエノスアイレスの母、小島、薔薇たち
    夢乃 ブエノスアイレスの息子、沢井、フランソワ

    音楽・作曲・ピアニスト 三枝伸太郎
    音楽作曲 新内多賀太夫
    舞台美術 池田どもゆき
    舞台美術助手 片平圭衣子
    人形美術・装置(舟・井戸) 野村直子
    照明 宮野和夫
    照明オペ 山浦恵美、米澤ゆき
    音響 島猛
    音響オペ 照山未奈子
    舞台監督 金安凌平
    演出助手 内河啓介
    人形製作 籾倉梢恵(頭)、田中友紀(衣装)、他結城座
    宣伝美術 小田善久
    宣伝写真 石橋俊治
    宣伝映像 株式会社KUROKAWA design
    記録映像 コラボニクス
    制作 前田玲衣、結城育子

    歌唱指導 深沢敦
    飛行機製作 大谷亮介、安藤友香、住吉愛子
    ヴァイオリニスト 会田桃子
    バンドネオン奏者 鈴木崇朗
    タンゴダンス 玉井勝教
    小道具製作 清水美帆子
    大道具協力 深海洋燈
    特別協力 「あそび糸」有志

    助成 文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))、独立行政法人日本芸術文化振興会、公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団
    協賛 COFFEE HALL くぐつ草、未来工業株式会社
    協力 Cocktail-Do Coffee Co.,Ltd.、シモジマ、オフィス3○○、(株)ファザーズコーポレーション

    企画・制作・主催 公益財団法人江戸糸あやつり人形結城座(国記録選択無形民俗文化財/東京都無形文化財)

    2024年10月3日〜6日 シアタートラム

  • MONO第51回公演『御菓子司 亀屋権太楼』@ザ・スズナリ
    【2024/3/9 14:00〜16:00(途中休憩なし)】

    創立35年のMONOが、これまでの1幕ものスタイルから大きく舵をきった。意欲作にして傑作。今までのMONOも良かったけれど、今回のMONOも違う良さがある。
    ドライでスピーディーな会話や、憎めない人物造形はそのままに、ある和菓子屋の歩んだ10年を、場面を様々に変えながら飛び飛びに描いていく作風で、場面転換も俳優たちが幕間のステージングのように様式的な動きで見せていく。(この転換の動きも統制が取れていて美しい!)

    舞台は、観客席側を除く3面を、裾広がりのコの字(つまりは「ハの字のようなコの字」)型にパネルで囲み、パネルには、大小様々な窓枠のようなものがあり、それらの窓枠の多くは、格子模様をベースとした、それぞれに異なる和風の意匠で飾られている。「モダンな和の空間」といった趣き。(サイトから転載の舞台写真参照)
    そして、場面に応じて、それらの窓枠が色々に変化する。ある窓枠は引き戸になったり、開き戸になったり、窓になって明かりが差し込まれたり。それだけにとどまらず、戸棚になっている箇所、椅子が出てくる箇所、造り付けの机として機能する箇所…と、言わば「寄木細工」や「からくり屋敷」のようである。

    なので、いつものMONOのような、リアルな空間の建て込みとはちょっと異なり、「やや抽象性のある装置で、場面転換を頻繁に行いながら色々な場面を表現」という感じ。
    和菓子屋の事務所、作業場の休憩室、カフェの一角、ホテルのロビー、雑居ビルの一室、などなど。
    この変化が、見ていて抜群に楽しい。「そこがそうなるの!?」とか「それをそこへ収納するんだ!?」とか。(何がどうトランスフォームするのか、扱う俳優たちはその段取りをマスターするのが大変だったのではないか、と思われるw)
    照明もまた、作品に寄り添う感じの美しさ。(照明デザインは吉本有輝子氏)

    「江戸時代から続く老舗の和菓子屋『亀屋権太楼』」が、実は巧妙に練られた歴史で捏造された経歴だったことが判明。ほどなくして、その捏造した張本人の社長は病死。次男が後継者となり、全てを公にして店の立て直しを図る。軌道に乗りかけた時、次男を快く思わない長男が店の乗っ取りを企て、新たな社長となる。が、上手くはいかず、結局は、店は次男の手に戻る。しかし、ライバル店が現れるなどして店の経営は悪化、店を手放す事態に…という10年間を、要所要所をピックアップするような形で見せていく。

    登場人物は、長男の吉文(水沼健)、次男の祐吉(尾方宣久)、吉文の娘の早紀(立川茜)、先代社長に雇われた菓子職人の道庭(金替康博)、先代社長に雇われた事務職員の青山(奥村康彦)、亀屋権太楼アルバイト歴10年の、狩野英孝みたいなキャラクターの北川(渡辺啓太)、亀屋権太楼の立て直しを請われた日本茶インストラクターで、早紀の学生時代の先輩の奈良原(高橋明日香)、吉文をそそのかす、トルコと繋がりのある怪しい男の佐倉(土田英生)。

    人望の厚い祐吉と、人望が無く娘からも嫌われている吉文、この対立が物語の核のひとつになるが、一方で、店の経歴詐称と並行して描かれる、いわゆる「同和地区出身」的な経歴の持ち主である道庭・青山・奈良原の出自にまつわるモチーフや、アルバイト北川の二面性なども作品に絡んでくる。
    さらに、年月を経ることで変わっていく人間性や、他者との関係性の変化なんかも織り込まれている。
    ある意味、「表の顔と裏の顔」みたいなものが、本作のテーマかもしれない。あと、「他人をどう見ているか/他人からどう見られているか」みたいな部分も。

    いつもの軽妙さは健在だし、道庭の天然キャラをはじめ、笑えるやり取りも多く、客席は何度も笑いに包まれる。
    ただ、MONOにしては社会派な側面も強い。舞台はそこまで重苦しくなく、社会派的なメッセージ性も、観ている時は「みかん汁で描いた薄いあぶり出しの絵」程度なのだが、観劇後にジワジワと輪郭が浮き出て来る感じ。
    展開を知った上で観ると、また違う観え方になると思われる。

    兄弟の和解めいた場面のあと、エンディングに登場するのは、今は解体業のアルバイトをしている北川、ただひとり。空き店舗らしきかつての和菓子屋の梅の木を、これから切ろうとするところで幕。(この梅の木もまた、物語にいい塩梅で関わる存在として描かれている)
    北川以外の人たちがその後どうなったかは、観客には明示されない。「え、ここで終わるの?」という感じもあるが、これも、敢えての狙いだろう。
    登場人物の描き方含め、このあたりは多少、評価の分かれるところかもしれない。

    登場人物たちのやり取りも、いつものMONOより無言でのやり取りが多い印象で、その場に生まれる空気をすごく大事にしているように見え、言葉で説明しすぎない感じが心地良い。
    ストーリーや演出に「余白」が多い作品と言えるが、舞台の進行を観ながら、余白の答え合わせをしていくというか、ミステリー作品ではないのだが、ある種の「謎解き」のような感覚もあり、その点でも見応えがある。

    あと、ここに来て古くからのメンバー以外の若手俳優たちが、旧メンバーと遜色が無くなった印象を受けた。
    これまでの1幕ものだと、若手組はどうしても「昔を知らない存在」みたいなキャラクターを割り振られることが多く、「出演者間のキャリアの差」みたいなものがあったのだが(もちろん、それを上手く取り込んだ配役にはなっていたが)、今回、場面や時間が細切れに飛ぶことで、新旧メンバー関係なく「個」の存在としての印象が強くなり、メンバー皆がフラットな状態で舞台に立っているように見えた。
    若手組の、個性というかキャラも立ってきた感じがあり、旧メンバーも、いつもとは一味違う配役な感じもあり、作品だけでなく、劇団としてもまた、「もう1段上がったな」という印象。

    ロビーの物販コーナーでは、「亀屋権太楼」の看板商品として劇中に登場する「はしけやし」という架空のおまんじゅうを、京都の老舗和菓子店とコラボして販売。

    東京公演は終わり、残すは北九州と上田のみ。観られるチャンスがある方は、ぜひ!
    (もう1回観たいけど、どう頑張っても観に行けない…w)


    MONO第51回公演『御菓子司 亀屋権太楼』
    作・演出 土田英生

    尾方宣久
    奥村泰彦
    金替康博
    高橋明日香
    立川茜
    土田英生
    水沼健
    渡辺啓太

    舞台美術 柴田隆弘
    照明 吉本有輝子(真昼)
    照明操作 池辺茜、岩元さやか
    音楽 園田容子
    音響 堂岡俊弘
    衣裳 清川敦子
    演出助手 neco(劇団三毛猫座)
    演出部 白坂奈緒子、習田歩未
    舞台監督 青野守浩
    イラスト 望月梨絵
    宣伝美術 西山榮一(PROPELLER.)
    制作 垣脇純子、豊山佳美
    協力 キューブ、リコモーション、radio mono、京菓子司 金谷正廣
    企画・製作 キューカンバー

    主催 キューカンバー[大阪・東京・北九州公演]、上田市(上田市交流文化芸術センター)・上田市教育委員会[上田公演]
    提携 北九州芸術劇場[北九州公演]
    制作協力 サンライズプロモーション東京[東京公演]
    助成 文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援))・独立行政法人日本芸術文化振興会[大阪・東京・北九州公演]、大阪市[大阪公演]、文化庁文化芸術振興費補助金 劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)・独立行政法人日本芸術文化振興会[上田公演]

    2024年2月22日〜2月26日 扇町ミュージアムキューブ CUBE01
    2024年3月1日〜3月10日 ザ・スズナリ
    2024年3月16日・3月17日 J:COM北九州芸術劇場 小劇場
    2024年3月23日・3月24日(日) サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター) 大スタジオ

  • KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ(安藤玉恵版)』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
    【2024/3/1 13:30〜14:45(途中休憩なし)】

    ダブルキャスト企画での上演、先日の片桐はいりさん版に続いて、安藤玉恵さん版を観劇。

    本当に、片桐さんとは舞台や小道具の使い方が異なっていて、安藤さんバージョンの最大の特徴は、「ぬいぐるみやパペットをメインに使って登場人物たちをイメージさせた」ことだろう。
    片桐さん自身がいろんな登場人物にスイッチングしていったのに対し、安藤さん本人はわりとスタインバーグのままで、登場人物はぬいぐるみやパペットに紐づけられていた。
    ただ、この演出は、好みが分かれるところかもしれない。

    また、片桐さんバージョンだと「スタインバーグを取り巻く環境」が浮かび上がってきたのに対し、安藤さんバージョンは「スタインバーグの目に周囲の人たちがどう映ったか」というのが浮かび上がってきた。
    これは、「片桐さんのほうが俯瞰的で、安藤さんのほうが当事者的」とも言える。

    そして何より、安藤さんバージョンは片桐さんバージョンに比べると、やはり「語る」ことに重きが置かれていたように思う。
    片桐さんが「客席に向かって喋りつつも、客席が能動的に演者を覗き込むような感じで、しかも、感覚的な舞台」だったのに対し、安藤さんは「演者が能動的に客席のほうへ手を差し伸べながら語りかけていく感じで、それでいて、論理的な舞台」と、異なるスタイルだったのも印象的で面白い。
    ただ、そのせいで安藤さんバージョンは、若干、観客への講義感も生んでおり、そこも、好みの分かれる1つのポイントかもしれない。

    片桐さんのほうが独り言っぽいというか、愚痴っぽい。そして、極論すれば「観客がいなくても同じことが再現できそう」な感じで、パフォーマンスにムラが無さそうではあった。
    一方の安藤さんバージョンは、おそらく、その日の観客の集中とか反応が、安藤さんの演技にビビッドに影響しやすく、観客がいるといないとではパフォーマンスが変わってきそうな雰囲気すらあった。(終演後のアフタートークでも、そんな感じの事をおっしゃっていた)

    もしかすると実は、片桐さんのほうが「瞬間瞬間を生きているように見せながら、実は緻密に計算された演技」で、安藤さんのほうは「緻密に組み立てられた演技のように見せながら、実は意外と博打っぽい感覚で演じている」のかもしれない。うーん、面白い。

    ただ、個人的には、安藤さんバージョンのほうも捨てがたく、心地よくもあった。
    言葉がしっかり伝わる分、観客の想像の余地もあったし、指先の動かし方や表情の作り方などの挙動から、スプーンフェイス・スタインバーグという少女がそこに現れたような印象を受けた。
    片桐さんのほうは、どちらかというと、スプーンフェイス・スタインバーグの魂という感じで、器用なんだけどイタコ的でもあり、スタインバーグを自身に降臨させた「代弁者」のような印象を受けた。

    なので、「どちらが良かったか?」と問われたら、僕は「安藤玉恵さんのほう」と答えるかな。
    (数学の場面で、スタインバーグが数字を答える時に、その瞬間だけ急に、素っ気無い低音で数字を言う安藤さんの、「突然、観客をはぐらかすような裏切るような演技」が個人的には好きで、それにヤラれたのも大きいのだけどw)

    最後に。
    片桐さんバージョンの感想の投稿時に言及し忘れていたのだが、セリフの中でレゴに言及する箇所があり、そのためか、舞台上にはレゴフレンズ(レゴの中でも、カワイイ&オシャレ系のシリーズ)の「アンドレアの演劇学校」の1セットがあるのだが、個人的にはそれもお気に入りw
    (でも、レゴデュプロ(小さい子ども向けの大きめのブロックのレゴ)のほうが、作品の世界観には近いと思うのだけど…)

    KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
    『スプーンフェイス・スタインバーグ』

    作:リー・ホール
    翻訳:常田景子
    演出:小山ゆうな

    安藤玉恵/片桐はいり

    美術:大島広子
    照明:大石真一郎
    音響:徳久礼子
    映像:石原澄礼
    演出助手:坂本沙季
    舞台監督:山田貴大
    プロダクションマネージャー:小金井伸一

    演出部:池野上咲月、小林愛美
    照明補佐:大島真
    照明操作:稲崎愛歩
    音響操作:片野はるひ

    大道具製作:C-COM(豊永恭子)
    小道具協力:橋本加奈子
    衣裳スタイリング:大島広子
    衣裳協力:pot and tea
    ヘアメイク協力:小林雄美

    鑑賞サポート:Palabra株式会社、神奈川芸術文化財団 社会連携ポータル課
    広報:植田あす美
    営業:大沢清、清水幸
    票券:金子久美子

    宣伝イラスト:丹野恵理子
    宣伝デザイン:柳沼博雅
    宣伝写真:渞忠之
    宣伝スタイリスト:菊池志真
    宣伝ヘアメイク:林摩規子
    舞台写真撮影:渞忠之
    劇場広報アートディレクション:吉岡秀典

    制作進行:横井佑輔
    制作:牛山直美、西原栄
    チーフプロデューサー:笛木園子、伊藤文一
    事業部長:堀内真人
    芸術監督:長塚圭史

    協力:スターダストプロモーション、MASH、& FICTION!、Smile Stage、本谷麻子

    主催・企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場

    2024年2月16日〜3月3日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

  • KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ(片桐はいり版)』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
    【2024/2/18 13:30〜14:50(途中休憩なし)】

    イギリス人作家リー・ホールの書いた、もとはラジオドラマ用の一人芝居で、死期が迫った自閉症の7歳の少女スタインバーグのモノローグ。ダブルキャスト企画での上演の、まずは片桐はいりさんのほうで観劇。

    子ども部屋と思しき舞台。あちらこちらに、家具やおもちゃなどの小道具。これらの配置は、ダブルキャストの両バージョンで共通らしい。(しかし、衣裳や動きは全く異なるらしい)

    オペラが大好きなユダヤ人の少女スタインバーグの目に映る、両親や主治医、お手伝いのスパッドさんなどの大人たちの様子や、自身の考える「生と死」「この世の真理」などが語られる。スタインバーグの「これまでに思っていたけど自閉症ゆえに口に出せなかった言葉たち」が語られていると言ってもよいだろう。
    また、「主治医の母が、ナチスの強制収容所の生き残り」という設定なので、そこから伝え聞いた話題も出てくる。
    要所要所では様々なオペラのアリアが流れ、その歌声が、場面の変化や話題の転換のきっかけにもなっている。

    片桐さんは、スタインバーグとして存在してはいるものの、小道具を巧みに使いながら、様々な登場人物たちにスイッチングして演じる時もあり(たとえば、小道具の大きな人形をスタインバーグに見立て、大人側の役として人形に接する、など)、ある種「イタコ的」というか、演じ手としての巧みさを見せてくれる。
    戯曲のセリフひとつひとつが浮かび上がるような演じ方というよりは、スタインバーグを取り巻く人間関係などが浮かび上がり、それによって、彼女の世界観、感情や感覚みたいなものが伝わってくる仕上がりだったように思う。

    小道具の使い方がとても上手く、また、話題や視点の変化のタイミングと、小道具を手にしたり手放したりのタイミングが、緻密に計算されていたように思う。
    少女から老年まで、何を演じてもそう見えてくる説得力はさすがである。そして、何を演じていても、キラキラしている。
    それは「生命力に溢れている」とも言え、だからこそ、「この作品のモノローグを語るに相応しい身体である」とも言える。

    パンフレットのインタビューで、ダブルキャストのもうひとり、安藤玉恵さんが「このダブルキャストは、ディズニーランドとディズニーシーである」と述べており、また、「私は『この作品は言葉で伝えたい』と思った」とも話していることから、おそらく、安藤さんバージョンのほうが、「言葉=語り口」で伝わってくるものが多いと思われ、それに対して、片桐さんバージョンはやはり、肉体で見せる創り方になっているような気がする。

    片桐さんバージョンは、俳優としての存在感が先ずは伝わり、スタインバーグの世界観は感じ取れたものの、彼女が語る内容に対する共感や理解という点では、いまひとつしっくり来ない部分もあったのだが、それは、先に述べたような所から来ているものかもしれない。


    KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
    『スプーンフェイス・スタインバーグ』

    作:リー・ホール
    翻訳:常田景子
    演出:小山ゆうな

    安藤玉恵/片桐はいり

    美術:大島広子
    照明:大石真一郎
    音響:徳久礼子
    映像:石原澄礼
    演出助手:坂本沙季
    舞台監督:山田貴大
    プロダクションマネージャー:小金井伸一

    演出部:池野上咲月、小林愛美
    照明補佐:大島真
    照明操作:稲崎愛歩
    音響操作:片野はるひ

    大道具製作:C-COM(豊永恭子)
    小道具協力:橋本加奈子
    衣裳スタイリング:大島広子
    衣裳協力:pot and tea
    ヘアメイク協力:小林雄美

    鑑賞サポート:Palabra株式会社、神奈川芸術文化財団 社会連携ポータル課
    広報:植田あす美
    営業:大沢清、清水幸
    票券:金子久美子

    宣伝イラスト:丹野恵理子
    宣伝デザイン:柳沼博雅
    宣伝写真:渞忠之
    宣伝スタイリスト:菊池志真
    宣伝ヘアメイク:林摩規子
    舞台写真撮影:渞忠之
    劇場広報アートディレクション:吉岡秀典

    制作進行:横井佑輔
    制作:牛山直美、西原栄
    チーフプロデューサー:笛木園子、伊藤文一
    事業部長:堀内真人
    芸術監督:長塚圭史

    協力:スターダストプロモーション、MASH、& FICTION!、Smile Stage、本谷麻子

    主催・企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場

    2024年2月16日〜3月3日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

  • はえぎわ×彩の国さいたま芸術劇場 ワークショップから生まれた演劇『マクベス』@東京芸術劇場シアターイースト
    【2024/2/17 18:30〜20:15(途中休憩なし)】

    10人で演じる『マクベス』。マクベス(内田健司)以外は、何役か兼ねたり、アンサンブルとしても動いたり。かなりテキレジされている感じで、非常に分かりやすくシンプルな仕上がり。翻訳は、松岡和子訳を使用。

    舞台上に8×8のマス目、ひとマスに一脚ずつ木製の椅子(椅子はどれもほぼ同じ造り)。つまり、64脚の椅子がある。舞台両サイドに大きめの長テーブル。テーブルの上には、大量の衣裳や道具と思われるもの(大半は飾りとして置かれている)と、小物楽器。
    場面が変わるごとに、椅子を並べ替えたり積み上げたり(段取りがかなり大変そう!)、小道具や楽器を持ち出したりして、場面を変化。歌やラップの場面もあり、また、効果音的に小物楽器を多用したりと、視覚的にも聴覚的にもアクセントを付けながら場面が進行していく。
    その際、魔女がフィーチャーされ、魔女を中心として物語が進行されていくような印象が残る。
    あと、KAKATO(鎮座DOPENESS×環ROY)の「めでたい−だるま」というラップ曲(NHKの「デザイン あ」で使われた楽曲)が、テーマソング的に幕間きと終幕で流れ、なんとなく頭から離れないw

    演出と演技の好みはあるだろうが、作品そのものの完成度は高いだろう。適度にシェイクスピア節も楽しめつつ、バラエティに富んだ演出も味わいつつ、「大人向けお子様ランチ」な作品に仕上がっている。
    古き良き小劇場的というか、スマホやVRなども出てくるものの、全体としてはアナログかつクラシカルな手法で、俳優ひとりひとりの持ち味を活かすような演出。若干、蜷川演出の手触りのような感じもあるにはあるが、どちらかというと、「子どものためのシェイクスピア」シリーズのほうが近いかも。

    全体の色調はモノトーンでまとめられ、アクセント的に小物で彩り。なので、マクベスとマクベス夫人が、殺人を犯した以降、手が墨汁のようなもので黒くなったまま、という演出も、演出全体のバランス的にも良き。
    ただ、バンクォー(山本圭祐)、ダンカン(村木仁)、マクダフ(町田水城)、マルカム(広田亮平)が、他の役も兼ねており、衣裳も似通って見えるため、「マクベス」初見だと、人間関係の把握がちょっと分かりにくいのが、少しもったいない。

    出演者は総じて良い仕事をしているが、個人的に印象的だったのは、上村聡さん。キャラの良さとセリフの明晰さはもちろん、作品を下支えするような存在でもあり、とても良かった。
    あと、魔女のリーダー的存在でありつつ、門番やマクダフ夫人も演じた茂手木桜子さんの、独特の佇まいと豹変ぶりと、フワフワしたステップによる移動。
    マクベス夫人の川上友里さんも期待通りの好演。下世話さのさじ加減が絶妙w

    マクベス役の内田健司さんは、感情的になりすぎず、「さいたまネクスト・シアター」出身らしいマクベスを好演していたが、個人的に、セリフ回しが若干、藤原竜也さんを彷彿とさせてしまう(セリフを置いていく感じではなく、紙ヒコーキで飛ばすような感じ…ってたとえで分かっていただけるか?)のが気になった。
    (それとも、蜷川の薫陶を受けた男性俳優は、だいたいこんな感じの仕上がりが普通?)


    はえぎわ×彩の国さいたま芸術劇場
    ワークショップから生まれた演劇
    『マクベス』
    原作:ウィリアム・シェイクスピア
    翻訳:松岡和子
    上演台本・演出:ノゾエ征爾

    マクベス:内田健司
    マクベス夫人:川上友里
    パンクォー、フリーアンス、他:山本圭祐
    ダンカン、暗殺者1、医者、他:村木仁
    マクダフ、将校、貴族、他:町田水城
    マルカム、暗殺者2、他:広田亮平
    ロス、他:上村聡
    魔女1、門番、マクダフ夫人、他:茂手木桜子
    魔女2、マクダフ息子、他:菊池明明
    魔女3、侍女、他:踊り子あり

    美術:岩本三玲
    照明:岩品武顕
    音響:金子伸也
    衣裳:紅林美帆
    ヘアメイク:小林雄美
    演出助手:渡邊千穂
    舞台監督:根津健太郎、須田雅子
    技術監督:山田潤一

    演出部:萬寶浩男、小池由里子、松下城支
    照明部:鈴木健太郎、宮之前優美、若狭裕美子、板垣史子、佐藤恵、安部さやか
    音響部:飯塚ひとみ、辻本望
    小道具:布田栄一
    大道具:金井大道具(宮崎恵一、矢田英孝)
    特殊効果:コマデン(吉田有希)
    衣裳製作:中西亜希子、大高紀子、望月広子
    鎧製作:安津満美子、鈴木美幸
    運搬:マイド

    宣伝美術:六月
    宣伝イラスト:MERIYAS MIDORI
    協力:パシフィックアートセンター、エープロジェクト、リトル・ジャイアンツ

    制作助手:足立悠子
    制作:高木達也、松野創、田中美樹

    公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)
    理事長:加藤容一
    芸術監督:近藤良平
    専務理事:小田恵美
    事業部長:岩品武顕
    劇場部長:山田潤一
    ゼネラルアドバイザー:渡辺弘
    企画制作課長:秋葉良司
    営業広報課長:鶴貝典久
    営業広報:松井哲、林さやか
    票券:鈴木優子、武井亮子

    主催:はえぎわ、公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)
    共催(東京公演):公益財団法人東京都歷史文化財団 東京芸術劇場
    助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
    助成(埼玉公演):一般財団法人地域創造

    2024年2月17日〜25日 東京芸術劇場 シアターイースト
    2024年3月1日〜3日 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール