石井光三オフィスプロデュース『ザ・ポルターガイスト』@本多劇場
【2025/9/17 14:00〜15:30(途中休憩なし)】

コロナ禍の2020年に書かれたフィリップ・リドリーの一人芝居を、村井良大さんの出演で、本多劇場で。演出は、開幕ペナントレース主宰の村井雄氏。
ゲイのカップルであるサーシャとチェット、2人がサーシャの姪の誕生日パーティーに出かけて帰ってくるまでの1日を描いた作品。登場人物は11名。それらを村井良大さんが1人で演じ分けていく。(個人的には、パーティーに来ていた配管工・ダギーのキャラが特に良かった)
自己と他者の境界の曖昧さだったり、互いの記憶違いの答え合わせ的な描写があったりと、一人で演じるからこそ見えてくる「物事の相対化・対比」。自己肯定とか、他者への嫉妬とか、そういうものも盛り込まれている。
タイトルの意図は、最後で種明かしされる。
村井良大さんは確かに上手い(だからこそ、彼の巧みさ目当てで観に行ったわけだが)。飽きることなく観られたのだけど、戯曲が「一人で何役も演じ分ける」ことが目的として書かれている印象で、「演じ分けの技量」みたいなものありき、な感じもした。
「結果的に一人で演じることで面白くなる」というよりは、「最初から一人で何役も演じる前提でキャラクターが書き分けられている感じ」と言えばよいだろうか。
つまりは、「物語<演技」というか、「俳優のためのソルフェージュ」的な要素が感じられて、描かれている物語や心理描写は意外とあっさりとしていた印象。(もっとぶっちゃけると、戯曲そのものが自分にはちょっと物足りなく感じた)
一人芝居作品の面白さ、という観点だけでいえば、ナショナル・シアター・ライブで観た『ワーニャ』のほうに軍配が上がる。
舞台上に飾られた色々な小道具類や家具は、あくまで装飾であり、クライマックスで脚立が使われるだけで、そのほかのものは本当に「そこに置いてあるだけ」なのは、悪くはなかったのだけど、ちょっと飾り過ぎていた(物量が多すぎた)かもしれない。
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