観るのも演るのも日々是好日!

演劇界に生きる男の観劇記録

SPAC-静岡県舞台芸術センターで俳優やってます!

倉敷幼稚園→粒江幼稚園→粒江小学校→倉敷南中学校→総社南高等学校→大阪教育大学

関心あるモノ・コト = 演劇/LEGO/昭和歌謡からJ-POP/字を書くこと/フィギュアスケート鑑賞/温浴施設めぐり/乗り鉄/旅行/睡眠

to R mansion presents『走れ☆星の王子メロス』@世田谷パブリックシアター
【2025/8/10 14:00〜15:30(途中休憩なし)】

昨年に続いての再演のようで、今年は世田谷パブリックシアターで上演。オリジナルは7人の出演者で構成されたバージョンだが、世田谷パブリックシアターでは40人近い出演者によるスペシャル版として上演。
本編のみで1時間15分ほどだが、カーテンコールの撮影タイムやグッズ宣伝タイムなども含めると、上演時間1時間30分。(開演前と終演後のカーテンコールは写真撮影OK)

『走れメロス』と『星の王子さま』を掛け合わせた(そしてオリジナリティを加えた)ストーリー展開で、作・演出は、主演で出演している江戸川じゅん兵氏と上ノ空はなび氏によるユニット「スカンクスパンク」。
生演奏や歌や踊り、さらには、エアリエルなどの現代サーカス要素もあちこちに詰め込まれ、文字通り「おもちゃ箱をひっくり返したような」作品。原作のもつ哲学的な側面も残しつつ、小さな子どもたちが表層的にも楽しめる仕掛けになっていて、客席の子どもたちも終始、前のめり気味で観ていた。

アンサンブル的に多数の出演者が登場する(彼らはセリフはほぼ無い)が、ストーリー面で重要なポジションを担う部分は、6人の俳優陣だけで展開。

『星の王子さま』の飛行士=サン・テグジュペリ=急いで地球に戻ろうとしているところを別の星に不時着してしまったメロス(江戸川じゅん兵)、という設定になっており、王子(上ノ空はなび)とセリヌンティウス(小早川俊輔)は、それぞれ単独で配役。
メロス役の江戸川さんは、クドさの少ない大泉洋っぽい芸風の印象。王子役の上ノ空さんは、きゃりーぱみゅぱみゅさがありつつ、自分の関心がスイッチングするように変わっていく感じが子どもそのものな感じで、「星の王子さま」を体現。セリヌンティウス役の小早川さんは、役柄も本人も正統派イケメンキャラで、「特技じゃないのに事務所のプロフィールに書かれているオカリナ」を演奏させられる場面も面白かった。

ここに、トリックスター的な扱いで、羊(丸本すぱじろう)と、悪魔(ぼくもとさきこ)が加わり、作品進行のお世話係的なポジションも担う。
丸本さんは、客の懐への入り方が絶品で、カラテカの矢部さんっぽい印象もありつつ、ふにゃふにゃした存在感と喋り方は、作品における一服のお茶のよう。
ぼくもとさんの、どこまでも素な感じも、この作品に合っていた。

王ディオニス/バラ/キツネなどの、2作品の有名なサブキャラは、植本純米さんがひとりで演じ分け。バラでは女形の実力を遺憾無く発揮して麗しく、キツネでは「ホシノ三姉妹(コシノ三姉妹のパロディ)の母親である仕立て屋」という役割も。(娘たちである「ホシノ三姉妹」もその前に登場して、ひとネタ披露している)
植本さんの出番が意外とあって、歌のパートも多く(もちろん上手い)、サックスも披露し、しかも、色々な役を演じているので、この作品の実際の主役は植本さんなんじゃ…?という感じw(少なくとも、植本さんの存在感が無いと、この作品は成り立たっていない気もする)

メロスは刺繍が得意という設定で、羊の絵を書く時も「♪チクチク〜、チクチク〜」と歌いながら刺繍で表現し、クライマックスでは、メロスが頭に着けていたヘアバンドが刺繍枠となり、刺繍で星と星を繋げて星座を作るという展開に。(正直、なんでこんな展開なのかよく分からないのだけど、力技で半ば納得させられた感じw)
しかも、そのクライマックスシーンには、王子の緑のコートを仕立てた本人として、キツネがホシノ三姉妹の母親として現れ、メロスと共に刺繍をするという場面に。

そんな感じで、いわゆる「原作から脱線したシーン」もいくつかあるのだが、それはあまり気にならない。むしろ、そういう場面があることで、本筋がより際立っている印象。
秀逸だなと思ったのは、『星の王子さま』の井戸の場面と、『走れメロス』の泉の場面を、オーバーラップするように構成していたこと。井戸の汲み桶がいくつも、上空から降りてきて、また昇っていて…みたいな絵も良かった。

なお、東京公演ののち、春日井市と津市でも上演があるが、東京のみ大人数バージョンで、地方公演には、セリヌンティウスとアンサンブルは出演せず。

(グッズとして販売していた、舞台の筋に沿った構成になっているという「走れ☆星の王子メロス すごろく」を、やはり買っておけばよかったなぁと、少し後悔しているw)


to R mansion presents
『走れ☆星の王子メロス』
原作:太宰治「走れメロス」/サン=テグジュペリ「星の王子さま」
作・演出:スカンクスパンク(江戸川じゅん兵×上ノ空はなび)

江戸川じゅん兵:メロス
上ノ空はなび:星の王子さま
丸本すぱじろう:羊
ぼくもとさきこ:ぼくちゃん、悪魔
小早川俊輔:セリヌンティウス
植本純米:王、鉄道保安検査員、バラ、キツネ

イーガル:ピアノ
こみてつ:チェロ&ギター
村上慈:ヴァイオリン
原田美英子:クラリネット
阿部竜之介:トロンボーン

金指喜春 (Chapter)
サゴー
長すみ絵
冬木理森(オペラシアターこんにゃく座)
領家ひなた
柴田有希
岩澤菜々夏
大島翠(Theatre 劇団子)
大森つばさ
加古みなみ
河村果音
坂口友紀恵
篠原和美(玄狐)
薄田澄子(あくびがうつる)
竹下倖穂
田中来夢
谷岡菜々子
中山侑子
nau
福島悠斗
増田美咲
箕輪菜穂江(イッツフォーリーズ)
山根萌花(悪夢倶楽部)
あいあい
ア・キーラ

中島ひまり

アフターゲスト:サンプラザ中野くん(9日)/増田明美(10日)

音楽監督:イーガル
舞台監督:杉田健介
演出部:前田和香、上嶋葵
演出助手:山田朋佳
音響:佐藤こうじ(Sugar Sound)
音響オペレーション:たなかさき(Sugar Sound)、日本有香(Sugar Sound)
照明:國吉博文
照明オペレーション:上山真輝、塩崎明香理
照明プログラム:丸山武彦
衣装:西川千明
プロダクションマネージャー:杉山陽洋(ステージスタッフサルページ)
当日運営:奥村優子、與田千菜美、塚原沙和、池谷真友子、池谷昌美、瀬尾未奈
制作:野崎夏世、加藤じゅんこ
制作補佐:大野洋子(ACC)、中原信貴
制作協力:斎藤努
美術協力:林周一(風煉ダンス)、奈賀毯子、野口維更、野中小鈴、Okk
ラート指導:吉田望
撮影:宮風呂享史
収録:高平幸英
スチール撮影:Masayo
アフターイベント手話通訳:小原郁子
パンフレットデザイン:中井重文
アートディレクション:江戸川じゅん兵
宣伝イラスト:しりあがり寿

主催:合同会社ポトフ企画
提携:公益財団法人せたがや文化財団、世田谷パブリックシアター
後援:世田谷区
協賛:大和ハウス工業株式会社、合資会社ベアードビールブルーイング、株式会社ワンダーエンポリウム、チャーリー石塚
協力:公益社団法人大阪交響楽団、株式会社キューブ、株式会社ビーコン・ラボ、株式会社カクタス、株式会社enchante、放映新社、特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク、NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)
スペシャルサンクス:演劇集団風煉ダンス、たちかわ創造舎、たちかわサイクルサッカークラブ、合同会社ステージスタッフサルベージ、J:COM 世田谷、竹井亮介、松嶋柚子
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成/東京芸術文化鑑賞サポート助成】

2025年8月9日〜11日 世田谷パブリックシアター

Posted in , , , , , ,

コメントを残す