KAATキッズ・プログラム2025〈KAATのお芝居〉『わたしたちをつなぐたび』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
【2025/7/27 11:00〜11:50(途中休憩なし)】

イリーナ・ブリヌル原作の、「少女が自分の出生の秘密を探し求めて森の中を旅する」という内容の絵本を、大池容子氏の台本・演出で。上演時間は50分。
物語としては、つまるところ「母子家庭で父親が不在だったのは、少女が生後まもなく捨てられた孤児で、それを動物たちが(孤児院から?)育ての親である母親のところへ運んできた」という内容。
演出的にファンタジックな雰囲気で彩られ、「子ども向けの舞台作品だよ」と謳われている割には、「自分が養子であることを知った女の子のルーツさがしの旅」というのはなかなかにヘビー。
歌あり踊りありコミカルシーンありと、子どもが鑑賞する事をかなり意識して演出され、ストーリーも(奥は深いけど)そこまで難解ではない。30分くらいにギュギュッと凝縮できなくはない感じだけど。(「無くてもよいのでは?」と個人的に感じたシーンがいくつか)
主演の少女役の現役中学生・藤戸野絵さんが、嫌味のない溌剌さで、作品に清涼感と清潔感を添える。演技や歌も申し分ない。彼女の存在感が、本作の屋台骨と言えよう。
少し気になったのは、台本かな。
まず、少女の年齢設定が、藤戸さんの実年齢くらいだとすると妙に子供っぽすぎるし、小学校低学年くらいなのだとすると、現役中学生が演じたことで年齢設定に若干の混乱を招いている気も。
母親は、娘が疑問を感じた時に、養子であることを伝えないといけないことへの葛藤とか覚悟がありそうなものなのだが、妙に清々しすぎるというか、能天気すぎるようにも見えるし。(演じる下司尚実さんが、ややアニメキャラっぽくもあるので、余計にそう感じたのかも)
ルーツ探しの道中は、少女の内面変化とか、真相に近づいていく緊張感とか、そういうことが意外と感じられず、動物のキャラクターがちょっと変わってる設定だったりはするんだけど、オーソドックスな明るい「森の中の冒険もの」みたいになっているのも気にかかる。(場面の描き方とか演出面での見せ方で、もっと深められたようにも思う)
「子ども向け」オブラートで、全体を包み込みすぎたかも。
観終わって、少女の心の成長とか、母親の無償の愛情とかに思いを馳せつつも、結局は、リスのパペットの印象が大w
KAATキッズ・プログラム2025
〈KAATのお芝居〉『わたしたちをつなぐたび』
原作:イリーナ・ブリヌル
訳:三辺律子
上演台本・演出:大池容子
少女:藤戸野絵
木こり:少路勇介
母、サケ:下司尚実
キツネ、シカ:山田茉琳
リス、シカ:岩永丞威
音楽:小林顕作
振付:岩永丞威
美術:中村友美
照明:佐藤綾香
音響:江口佳那
衣裳:臼井梨恵
ヘアメイク:高塚yoshico
舞台監督:湯山千景
音楽製作:遠藤ナオキ
衣装製作:小山つかさ、西山梨香、山本ゆい
運搬:マイド
美術製作協力:株式会社東広
マネジメント協力:グラート、松竹エンタテインメント、大人計画、JTK’s エンターテイメント
制作進行:加藤夏帆(TASKO)、吉良穂乃香(TASKO)、下村美郷
アシスタントプロダクションマネージャー:雲田恵
プロダクションマネージャー:平井徹
広報:西原栄、三浦翔子
営業:大沢清、安田真知子
票券:小林良子
制作:本郷麻衣、佐藤梓
字幕タブレット制作:南部充央
音声ガイド制作:大内智美(SPAC)
社会連携ポータル課:中西享、小金井伸一、吉田舞雪
宣伝美術:ABEKINO DESIGN
彫刻・ドローイング:北浦和也
ビジュアル撮影:中村寛史
劇場広報アートディレクション:吉岡秀典
チーフプロデューサー:笛木園子、伊藤文一
事業部長:堀内真人
芸術監督:長塚圭史
企画制作:KAAT神奈川芸術劇場、SPAC-静岡県舞台芸術センター
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
2025年7月21日〜27日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
主催:KAAT神奈川芸術劇場
後援:神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会
2025年8月2日・3日 グランシップ中ホール・大地
主催:SPAC-静岡県舞台芸術センター
共催:公益財団法人静岡県文化財団
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