
イキウメ『ずれる』@シアタートラム
【2025/5/28 14:00〜16:05(途中休憩なし)】
このところ僕の中では「少し複雑で難しい哲学書」のような印象もあったイキウメの舞台だが、今回は「家族」を軸にした、イキウメらしい作風に戻っていたように感じられた。集大成的な位置づけもあったかも。
シリアスなテーマだが、笑える場面も多々あり、「深刻でありながらも軽い」質感の舞台。
スタイリッシュな邸宅リビングの設えは、若干の加藤拓也風味もあり。
幽体離脱とか、それによって家畜が野生化するとか、まあまあ突飛な設定ではあったけど、家族ならではのしがらみとか、親の無念を子が晴らすための復讐劇とか、わりとリアルに共感可能な設定も散りばめられていて、観やすい。
閉塞的で密な空気感も印象的だったが、これは、出演者が劇団員5名に限定されていたことも大きかったと思う。
兄の輝(安井順平)は、弟の春(大窪人衛)の存在に鬱陶しい素振りを見せつつも、実は密かに恋愛感情に近い感覚を抱いていたのではないか?(ただし弟はそれに気づいていないし、兄も自分に戸惑い、苦悶し、押し殺している)…というのが観終わった時の感想。そう考えると色々なことの辻褄が合うような気がして。
浜田信也さん演じる秘書兼家政夫の山鳥も、輝(というか小山田家?)に対する復讐心を持ちながらも、輝に対しての態度には、そこまでの敵意は感じられず、小山田家に対しての許せない感情はありつつも、輝という1個の人格に対してはむしろ愛情に近いような感覚すら抱いているのでは?というようにも読み取れ…
作品の裏テーマ的に「人が人を想うこと」みたいなことも忍ばされていたのかも。(深読みしてるだけかも、だが)
あと、当日配布物が「変形折り加工」のような形で、縦長状の下3分の1くらいを折り返していたのだが、その「折り返し幅」が「ピツエンを差し挟んだ長さ」と(たまたまかもしれないが)同じになるように設定されていたり、折り返した間に同サイズのアンケートやチラシが挟まれてスッキリしていたりと、なかなか工夫されていたのも良かった。
イキウメ『ずれる』
作・演出 前川知大
小山田輝/社長 安井順平
小山田春/輝の弟 大窪人衛
山鳥士郎/輝の秘書兼家政夫 浜田信也
佐久間一郎/環境活動家 盛隆二
時枝悟/整体師 森下創
声の出演 薬丸翔
ドラマターグ・舞台監督 谷澤拓巳
美術 土岐研一
照明 佐藤啓
音楽 かみむら周平
音響 青木タクヘイ
衣裳 今村あずさ
ヘアメイク 西川直子
演出助手 須藤黄英
プロップマスター 渡邉亜沙子
演出郎 成瀬正子
照明操作 溝口由利子、和田麻里子
音響操作 鈴木三枝子
宣伝美術 鈴木成一デザイン室
写真 水谷吉法「KAWAU」
俳優写真 平岩享
舞台写真 田中亜紀
新作 坂田厚子
票券 宍戸円
制作デスク 谷澤舞
プロデューサー 中島隆裕
協力 ワタナベエンターテインメント、吉住モータース、Nabura、俳優座劇場、Aプロジェクト、ART CORE、至福団、カンパニーAZA、ステージオフィス、SING KEN KEN、10月17日、ティーユーネクスト、マイド、深雪印刷
当日運営 保坂綾子(東京)、スタービーイング(大阪)
主催 エッチビイ株式会社
【東京公演】2025年5月11日〜6月8日 シアタートラム
【大阪公演】2025年6月12日〜15日 ABCホール
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