劇団papercraft第11回公演『昨日の月』@彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
【2025/1/17 14:00〜15:50(途中休憩なし)】

折り込まれていたチラシのデザインや写真が好みだったのと、主演が『虎に翼』の小橋役やモダンスイマーズの舞台で気になっていた名村辰さんで、ほかにも福田麻由子さん(『女王の教室』や『白夜行』に、『ちびまる子ちゃん』の姉!)や加藤貴子さん(元Lip’s!)など気になる人も出ていたので、観劇。作・演出は主宰の海路(みろ)氏。企画制作はアミューズ。
近未来っぽい設定で、自分の「昨日」もしくは「明日」を売ることができる(終日販売、と呼ばれている)社会が舞台。終日販売は、どちらかというとコソコソ隠れて行うイメージ、という設定。そこに「月に住んでいたが迫害されて地球で素性を隠して暮らしている人々」が絡んだり、「月が無くなって、新しい月が新たに造られて誕生する」世の中だったり、という設定も加わってくる。
SFファンタジーっぽい雰囲気の印象ではあるが、描かれているのは「思春期の青年のモヤモヤした想い」だろうか。全体的に重めのトーンな舞台で、閉塞感がある。
なお、結末としては、名村さん演じる大野歩が、新しい月になる前の日(つまり今の月の最後の日)に、昨日も明日も売る(永遠に今日を繰り返すことになる)決意をし、同じ日が何度も繰り返されることを示唆して幕。
名村さんは、屈折した複雑な感覚の大野歩を、繊細に大切に紡いでいて好印象。昭和に生まれていたら吉岡秀隆系の俳優な感じ。(富良野塾のオーディションに受かっていたようなので、まさにw)
歩の父親と、終日販売の売人の二役を演じた村上航さんの、ちょっとニヒルでアンニュイな感じの雰囲気も良かった。
福田麻由子さんや加藤貴子さんもすごく役柄に合っていたし、月人で風俗嬢の井上向日葵さんの、「スパイス」ではなく「みりん」「はちみつ」的な存在感も独特で良かった。彼女の場面で必ず敷かれる赤いビニールシートも印象的。
雰囲気はすごくあって嫌いじゃない感じなんだけど、ちょっと私小説っぽいというか個人的な日記というか同人誌的というか、どことなくそういう感じがあって、もう少し観客を意識して開いた感じの作風でもいいかな、とも思う。
次回は、夏にKAATの大スタジオでの新作上演らしい。観に行くかどうかは出演者の顔ぶれ次第かな…という感じではある。
物販では、チラシデザインをアレンジしたポストカードを、1枚1000円で販売。「高っ!」とも思うが、裏面にQRコードが載っていて、読み込むと上演台本が読める仕組みに。台本を紙で買うほどではないが、読んでみたい、という人にはとても嬉しいグッズだ。
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