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演劇界に生きる男の観劇記録

SPAC-静岡県舞台芸術センターで俳優やってます!

倉敷幼稚園→粒江幼稚園→粒江小学校→倉敷南中学校→総社南高等学校→大阪教育大学

関心あるモノ・コト = 演劇/LEGO/昭和歌謡からJ-POP/字を書くこと/フィギュアスケート鑑賞/温浴施設めぐり/乗り鉄/旅行/睡眠

サルメカンパニー第9回公演『逆さまの日記』@下北沢 駅前劇場
【2025/1/17 18:00〜20:40(途中10分間の休憩あり)】

初サルメカンパニー。伊達暁さんと那須凜さん、近藤隼さんが出演しているということで観劇へ。
とりあえず、とても面白かった。タイトルがダブルミーニングっぽく感じられてくる、泣けるラストも良かった。
2作品同時上演のもうひとつ『ベイカーストリートの犬』も俄然、観てみたくなった(と言いつつ、観られないけど…)

コナン・ドイルの『ボスコム渓谷の惨劇』と、江戸川乱歩の『探偵小説の謎』と、ピエール・バイヤールの『アクロイドを殺したのはだれか』を下敷きにしたオリジナル作品。作・演出は主宰の石川湖大朗氏(主要人物のひとりとして出演も)。
下手端にバックバンド的に演奏エリアを配し、蓄音機からレコードの音が流れるシーン(何度か出てくる)の演奏なども担い、生演奏が必然的に感じられる使われ方だったのも良き。
照明も美しく、あの狭い劇場にしては、いろいろと工夫されていたように見受けられ。
休憩中も、幕間場面が繰り広げられ(聞いてなかったとしてもその後の観劇に支障はない)、休憩中と言いながら出演者が普通に舞台で演技を続けているのは、初めて見たかもw

荒削り感はあるものの、ミザンスなど俳優の動かし方の演出が特に上手く、戯曲のどんでん返しぶりも上手く、サルメカンパニーのファン決定w
作品のスケールが駅前劇場のサイズ感からはみ出してはいたが、「久しぶりに活きのいい小劇場を観た」感あり。
(明日と明後日で終わりだが、行ける人はぜひ下北沢へ行ってほしい!)

★ここからネタバレあり★

ひとつの殺人事件を現役を引退したシャーロック・ホームズが謎解いていくのだが、容疑者全員、何らかの嘘をついており、全てがひとりの仕業ではなく、いくつかの偶然が重なった上で起きた殺人であることが判明。
ホームズの「ワトソン役」を担当していた、推理小説作家に憧れる医師のジョンが犯人だったと結論づけられる。ホームズは、ジョンの事情を考慮し、あえて警察に突き出すことはやめておくのだが、ジョンは自死し、エンディング…と思わせておいて、その半年後が描かれ、ホームズの推理がはずれていたことが判明する。
殺人事件の本当の犯人は、自死した犯人の双子の姉ハリエットであり、そのことを、姉自らホームズに告げ、本当のエンディング。
「逆さま」というのは、弟が事件の経過を綴った日記の書き方のことを指していたのだが、「真犯人は姉である」というニュアンスとしての「逆さま」とも受け取れる。

シャーロック・ホームズ役の伊達暁さん、渋い声の感じとか、たたずまいとか、推理を進めていく理路整然とした語り口とか、とにかくすごくハマり役で、ほかのホームズシリーズを演じている姿も見てみたくなる。ラストで、真犯人から真実を聞いている時にかすかに潤んでいく瞳も印象的。
姉のハリエット役で真犯人の那須凜さんも、姉御肌的に接しつつも、常に弟を想う気持ちが伝わってくる良い芝居。何度か、ギターを弾きながら歌う歌声も印象的。ホントに、母親の那須佐代子さんとはまた違うタイプの素敵な女優さんに。
弟役は石川湖大朗さん、彼もとても良かった。姉が殺したことを知っていた上で、姉に疑惑の目が向かないよう自らミスリードを仕掛け、自分が犠牲になることも厭わなかったのかなと思わせるような、そういう塩梅が非常に上手い演技だったと思う。端正な演技が印象に残る。
このメイン3人がめちゃくちゃフィットしていたことで、作品全体の強度が増したように思う。

あと、警部役の園田シンジさんも、前半の、客席を温めるようなコミカルなポジションを担い、良い仕事ぶり。
近藤隼さんは、殺害される役だったこともあり、出番がわりと限られていたのが残念だったけど、エンディングでの真犯人の告白場面で、ハリエットに声を荒げる豹変具合が印象的。
(とにかく、メイン3人が名優ぶりすぎて、他の出演者も上手いんだけど霞んだ印象はあり)

あぁ、もう1回観たいw
っていうか、僕、アガサ・クリスティとか今回のとか、いわゆる探偵モノが好きなだけなのか?w


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