た組『ドードーが落下する』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
【2025/1/16 19:00〜21:00(途中休憩なし)】

加藤拓也氏の作・演出。再演ではあるものの、演出家の言によれば、演出も戯曲も初演から随分と手を加えられているようだ。(初演は未見。YouTubeで初演を全編観られるので、後日視聴予定)
神奈川公演の後、大阪、三重、茨城でも公演あり。
空間が伸び縮みするような印象の舞台美術も良い。蛍光灯のほんのりと薄気味悪い感じも良い。箱庭のような壁の小棚(壁への昇り降りの階段としても使用)も良い。ひと回り小さいサイズの小道具も良い。その場には登場しない人物たちが、目の前で繰り広げられている場面を無表情で傍観しているミザンスも良い。役柄ごとの衣裳のカラーコーディネートのチョイスも良い。統合失調症を体現する、主役の平原テツさんも良い。なんだかずーっと観続けられてしまう演出も良い。
ただ、戯曲そのものが、自分にはいまひとつしっくり来ず。同じ加藤拓也氏の作品『いつぞやは』に近い印象で、演出とか見せ方にしても、次々に場面が展開していく感じとか、いろんなところから俳優が出たり入ったりする感じとか、ちょっと観客を煙に巻く感じとか、『いつぞやは』の手法をなぞっている感もあり…(『いつぞやは』が、『ドードーが落下する』初演をなぞってるのかもしれないけど)
もしかしたら、平原テツさん演じる夏目が初演よりクローズアップされ、今回は「夏目の物語」になっているのかも。(初演時は、信也役の藤原季節さんがトップクレジットで、今回の再演での信也役は秋元龍太朗さん)
『在庫に限りはありますが』『もはやしずか』『綿子はもつれる』みたいな、1幕もの(あるいはそれに近いような作品)の加藤拓也演出のほうが、僕は好きなんだと思う、いまのところ。
あと、平原テツさんは主演に据えるより、二番手三番手あたりで狂気を垣間見せるほうが活きるような気もして。主演が平原さんだと「役者としての完全一人勝ち」感が出て、作品そのものの印象が薄れるような…(それだけ達者ということでもあるが)
平原さん以外では、秋元龍太朗さんや鈴木勝大さんの、本心が見えにくい感じとか、手堅い安定感ある演技が良かった。あと、諫早幸作さんの、バイト先の店長も印象に残る。
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