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演劇界に生きる男の観劇記録

SPAC-静岡県舞台芸術センターで俳優やってます!

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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ(安藤玉恵版)』@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
【2024/3/1 13:30〜14:45(途中休憩なし)】

ダブルキャスト企画での上演、先日の片桐はいりさん版に続いて、安藤玉恵さん版を観劇。

本当に、片桐さんとは舞台や小道具の使い方が異なっていて、安藤さんバージョンの最大の特徴は、「ぬいぐるみやパペットをメインに使って登場人物たちをイメージさせた」ことだろう。
片桐さん自身がいろんな登場人物にスイッチングしていったのに対し、安藤さん本人はわりとスタインバーグのままで、登場人物はぬいぐるみやパペットに紐づけられていた。
ただ、この演出は、好みが分かれるところかもしれない。

また、片桐さんバージョンだと「スタインバーグを取り巻く環境」が浮かび上がってきたのに対し、安藤さんバージョンは「スタインバーグの目に周囲の人たちがどう映ったか」というのが浮かび上がってきた。
これは、「片桐さんのほうが俯瞰的で、安藤さんのほうが当事者的」とも言える。

そして何より、安藤さんバージョンは片桐さんバージョンに比べると、やはり「語る」ことに重きが置かれていたように思う。
片桐さんが「客席に向かって喋りつつも、客席が能動的に演者を覗き込むような感じで、しかも、感覚的な舞台」だったのに対し、安藤さんは「演者が能動的に客席のほうへ手を差し伸べながら語りかけていく感じで、それでいて、論理的な舞台」と、異なるスタイルだったのも印象的で面白い。
ただ、そのせいで安藤さんバージョンは、若干、観客への講義感も生んでおり、そこも、好みの分かれる1つのポイントかもしれない。

片桐さんのほうが独り言っぽいというか、愚痴っぽい。そして、極論すれば「観客がいなくても同じことが再現できそう」な感じで、パフォーマンスにムラが無さそうではあった。
一方の安藤さんバージョンは、おそらく、その日の観客の集中とか反応が、安藤さんの演技にビビッドに影響しやすく、観客がいるといないとではパフォーマンスが変わってきそうな雰囲気すらあった。(終演後のアフタートークでも、そんな感じの事をおっしゃっていた)

もしかすると実は、片桐さんのほうが「瞬間瞬間を生きているように見せながら、実は緻密に計算された演技」で、安藤さんのほうは「緻密に組み立てられた演技のように見せながら、実は意外と博打っぽい感覚で演じている」のかもしれない。うーん、面白い。

ただ、個人的には、安藤さんバージョンのほうも捨てがたく、心地よくもあった。
言葉がしっかり伝わる分、観客の想像の余地もあったし、指先の動かし方や表情の作り方などの挙動から、スプーンフェイス・スタインバーグという少女がそこに現れたような印象を受けた。
片桐さんのほうは、どちらかというと、スプーンフェイス・スタインバーグの魂という感じで、器用なんだけどイタコ的でもあり、スタインバーグを自身に降臨させた「代弁者」のような印象を受けた。

なので、「どちらが良かったか?」と問われたら、僕は「安藤玉恵さんのほう」と答えるかな。
(数学の場面で、スタインバーグが数字を答える時に、その瞬間だけ急に、素っ気無い低音で数字を言う安藤さんの、「突然、観客をはぐらかすような裏切るような演技」が個人的には好きで、それにヤラれたのも大きいのだけどw)

最後に。
片桐さんバージョンの感想の投稿時に言及し忘れていたのだが、セリフの中でレゴに言及する箇所があり、そのためか、舞台上にはレゴフレンズ(レゴの中でも、カワイイ&オシャレ系のシリーズ)の「アンドレアの演劇学校」の1セットがあるのだが、個人的にはそれもお気に入りw
(でも、レゴデュプロ(小さい子ども向けの大きめのブロックのレゴ)のほうが、作品の世界観には近いと思うのだけど…)

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『スプーンフェイス・スタインバーグ』

作:リー・ホール
翻訳:常田景子
演出:小山ゆうな

安藤玉恵/片桐はいり

美術:大島広子
照明:大石真一郎
音響:徳久礼子
映像:石原澄礼
演出助手:坂本沙季
舞台監督:山田貴大
プロダクションマネージャー:小金井伸一

演出部:池野上咲月、小林愛美
照明補佐:大島真
照明操作:稲崎愛歩
音響操作:片野はるひ

大道具製作:C-COM(豊永恭子)
小道具協力:橋本加奈子
衣裳スタイリング:大島広子
衣裳協力:pot and tea
ヘアメイク協力:小林雄美

鑑賞サポート:Palabra株式会社、神奈川芸術文化財団 社会連携ポータル課
広報:植田あす美
営業:大沢清、清水幸
票券:金子久美子

宣伝イラスト:丹野恵理子
宣伝デザイン:柳沼博雅
宣伝写真:渞忠之
宣伝スタイリスト:菊池志真
宣伝ヘアメイク:林摩規子
舞台写真撮影:渞忠之
劇場広報アートディレクション:吉岡秀典

制作進行:横井佑輔
制作:牛山直美、西原栄
チーフプロデューサー:笛木園子、伊藤文一
事業部長:堀内真人
芸術監督:長塚圭史

協力:スターダストプロモーション、MASH、& FICTION!、Smile Stage、本谷麻子

主催・企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場

2024年2月16日〜3月3日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

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