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演劇界に生きる男の観劇記録

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はえぎわ×彩の国さいたま芸術劇場 ワークショップから生まれた演劇『マクベス』@東京芸術劇場シアターイースト
【2024/2/17 18:30〜20:15(途中休憩なし)】

10人で演じる『マクベス』。マクベス(内田健司)以外は、何役か兼ねたり、アンサンブルとしても動いたり。かなりテキレジされている感じで、非常に分かりやすくシンプルな仕上がり。翻訳は、松岡和子訳を使用。

舞台上に8×8のマス目、ひとマスに一脚ずつ木製の椅子(椅子はどれもほぼ同じ造り)。つまり、64脚の椅子がある。舞台両サイドに大きめの長テーブル。テーブルの上には、大量の衣裳や道具と思われるもの(大半は飾りとして置かれている)と、小物楽器。
場面が変わるごとに、椅子を並べ替えたり積み上げたり(段取りがかなり大変そう!)、小道具や楽器を持ち出したりして、場面を変化。歌やラップの場面もあり、また、効果音的に小物楽器を多用したりと、視覚的にも聴覚的にもアクセントを付けながら場面が進行していく。
その際、魔女がフィーチャーされ、魔女を中心として物語が進行されていくような印象が残る。
あと、KAKATO(鎮座DOPENESS×環ROY)の「めでたい−だるま」というラップ曲(NHKの「デザイン あ」で使われた楽曲)が、テーマソング的に幕間きと終幕で流れ、なんとなく頭から離れないw

演出と演技の好みはあるだろうが、作品そのものの完成度は高いだろう。適度にシェイクスピア節も楽しめつつ、バラエティに富んだ演出も味わいつつ、「大人向けお子様ランチ」な作品に仕上がっている。
古き良き小劇場的というか、スマホやVRなども出てくるものの、全体としてはアナログかつクラシカルな手法で、俳優ひとりひとりの持ち味を活かすような演出。若干、蜷川演出の手触りのような感じもあるにはあるが、どちらかというと、「子どものためのシェイクスピア」シリーズのほうが近いかも。

全体の色調はモノトーンでまとめられ、アクセント的に小物で彩り。なので、マクベスとマクベス夫人が、殺人を犯した以降、手が墨汁のようなもので黒くなったまま、という演出も、演出全体のバランス的にも良き。
ただ、バンクォー(山本圭祐)、ダンカン(村木仁)、マクダフ(町田水城)、マルカム(広田亮平)が、他の役も兼ねており、衣裳も似通って見えるため、「マクベス」初見だと、人間関係の把握がちょっと分かりにくいのが、少しもったいない。

出演者は総じて良い仕事をしているが、個人的に印象的だったのは、上村聡さん。キャラの良さとセリフの明晰さはもちろん、作品を下支えするような存在でもあり、とても良かった。
あと、魔女のリーダー的存在でありつつ、門番やマクダフ夫人も演じた茂手木桜子さんの、独特の佇まいと豹変ぶりと、フワフワしたステップによる移動。
マクベス夫人の川上友里さんも期待通りの好演。下世話さのさじ加減が絶妙w

マクベス役の内田健司さんは、感情的になりすぎず、「さいたまネクスト・シアター」出身らしいマクベスを好演していたが、個人的に、セリフ回しが若干、藤原竜也さんを彷彿とさせてしまう(セリフを置いていく感じではなく、紙ヒコーキで飛ばすような感じ…ってたとえで分かっていただけるか?)のが気になった。
(それとも、蜷川の薫陶を受けた男性俳優は、だいたいこんな感じの仕上がりが普通?)


はえぎわ×彩の国さいたま芸術劇場
ワークショップから生まれた演劇
『マクベス』
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
上演台本・演出:ノゾエ征爾

マクベス:内田健司
マクベス夫人:川上友里
パンクォー、フリーアンス、他:山本圭祐
ダンカン、暗殺者1、医者、他:村木仁
マクダフ、将校、貴族、他:町田水城
マルカム、暗殺者2、他:広田亮平
ロス、他:上村聡
魔女1、門番、マクダフ夫人、他:茂手木桜子
魔女2、マクダフ息子、他:菊池明明
魔女3、侍女、他:踊り子あり

美術:岩本三玲
照明:岩品武顕
音響:金子伸也
衣裳:紅林美帆
ヘアメイク:小林雄美
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:根津健太郎、須田雅子
技術監督:山田潤一

演出部:萬寶浩男、小池由里子、松下城支
照明部:鈴木健太郎、宮之前優美、若狭裕美子、板垣史子、佐藤恵、安部さやか
音響部:飯塚ひとみ、辻本望
小道具:布田栄一
大道具:金井大道具(宮崎恵一、矢田英孝)
特殊効果:コマデン(吉田有希)
衣裳製作:中西亜希子、大高紀子、望月広子
鎧製作:安津満美子、鈴木美幸
運搬:マイド

宣伝美術:六月
宣伝イラスト:MERIYAS MIDORI
協力:パシフィックアートセンター、エープロジェクト、リトル・ジャイアンツ

制作助手:足立悠子
制作:高木達也、松野創、田中美樹

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)
理事長:加藤容一
芸術監督:近藤良平
専務理事:小田恵美
事業部長:岩品武顕
劇場部長:山田潤一
ゼネラルアドバイザー:渡辺弘
企画制作課長:秋葉良司
営業広報課長:鶴貝典久
営業広報:松井哲、林さやか
票券:鈴木優子、武井亮子

主催:はえぎわ、公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)
共催(東京公演):公益財団法人東京都歷史文化財団 東京芸術劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
助成(埼玉公演):一般財団法人地域創造

2024年2月17日〜25日 東京芸術劇場 シアターイースト
2024年3月1日〜3日 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

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