観るのも演るのも日々是好日!

演劇界に生きる男の観劇記録

SPAC-静岡県舞台芸術センターで俳優やってます!

倉敷幼稚園→粒江幼稚園→粒江小学校→倉敷南中学校→総社南高等学校→大阪教育大学

関心あるモノ・コト = 演劇/LEGO/昭和歌謡からJ-POP/字を書くこと/フィギュアスケート鑑賞/温浴施設めぐり/乗り鉄/旅行/睡眠

ロロ『はなればなれたち』@吉祥寺シアター
【2019/6/26 19:00〜21:30(途中10分間の休憩あり)】

初ロロ。「ストレンジシード静岡」でも上演があったのだが、見られず。
今回の舞台は、「ハートウォーミング」な感じの演劇で、全体的にフワフワしてる印象。良くも悪くも「キラキラしてる舞台」だったのだが、このつかみどころのない感じを「幼い/若い」と解釈するか、「みずみずしい/フレッシュ」と解釈するか。僕が若干前者なのは、老いたということなのか……(苦笑)
全体的に笑いの要素が多い気もする。人によっては泣ける話でもあるのだが、骨太感は皆無。綿菓子みたいな舞台。
舞台が始まってしばらくしたら、「THE オープニング」みたいな演出もあって、カッコいいんだけど、それもちょっと照れくさく。なーんか全体的に、年不相応のコーディネートの服を着てるみたいな感覚になってしまい、観劇中、落ち着かない(笑)

「ひとりの若い女性の演劇にまつわる半生の回顧録」というのが一応主軸で、そこへ放射状に繋がるように、様々なエピソードが絡んでくる。エピソード同士がリンクすることもあれば、最後まで交わらないものもあったり。
断片が繋がっていく感じなんだけど、コラージュともちょっと違っていて、なんか「キルト」っつーか、「パッチワーク」っつーか、そんな感じ。最終的な1つの完成形はあるんだけど、そのなかはごちゃごちゃしてるというか。「あっちをちょっと縫って、こっちをちょっと縫って、そうこうしてたらあっちとこっちがいつの間にか繋がってる」みたいな。
或いは、今風に言うと「直感的」な舞台展開なのかも。せわしくスマホをいじってるような、そんな感覚。
客席は全体的にかなり若い客層。納得。

観に行こうと思った動機はいくつかあって、ひとつは、ロロを「ストレンジシード静岡」で見逃していたため。ひとつは、出演者で気になる人が3人、板橋駿谷さん、油井文寧さん、大石将弘さん、がいたから。
板橋さんは、朝ドラ「なつぞら」で番長役を演じ、「34歳高校生」として有名になった俳優。まあ、舞台俳優としての生・番長を観てみたかったわけだが、そのイメージを崩さないようにしているのかどうか分からないが、まあ、番長からそう離れていない、憎めないキャラを熱く務めていた。
油井さんは、「ストレンジシード静岡」の「範宙遊泳」の作品に出演していた「こたつ姫」(役名)で、ドライなセリフ回しと独特な存在感が気になり、別の作品も観てみたいと思っていた俳優。ここでも、ドライな存在感とセリフ回しは健在で、のめり込みすぎてない感じが、とってもいい。
大石さんは、「ままごと」の俳優で、他の作品で観たときに、柔らかくクールな存在感が印象的で、機会があればまた観たいと思っている俳優。今回も、認知症のおじいちゃんみたいな「謎の草」という役を好演(好演と称していいのかどうかも不明だが)。歌声も素敵。彼の存在のおかげでよりいっそう、舞台が「ハートウォーミング」になっている。

劇中劇で、ままごとの『わが星』の幕開き10分くらいを、ままごとテイストで演じてみせるのが、僕のなかではクライマックスだったかも。据え置き型ミラーボールみたいな明かりも効果的で。円形に置かれた何気ない小道具もすごく効いてて。
ロロなのにままごとっぽい、という本家もビックリな出来ばえ。現代日本の演劇界に『わが星』がすごく浸透していることを再認識。あの作品の世界観って、僕ら世代からすると「キャラメルボックス」みたいな感覚なので、まあ若い演劇人なら1度は通る道なのかも。
逆に言うと、若い世代の俳優は、ああいうノリの芝居は得意なんだろうな。抵抗なくできちゃうというか。SPACの中高年世代で『わが星』やったら、それはそれで必見の舞台になりそうだけど(笑) (誰か企画!)

あと、登場人物の名前が、個人的にはどうにも抵抗あるのだが、それもまた老いなのか……?
下の名前が「淋しい」「すい中」「潮騒」「物置」など。(苗字は割りと一般的なんだけど)
こんな風に名付ける理由はなんなんだろう。名前を名前として認識させないようにする仕掛けなのか?不思議。

あ、関東圏以外からの観劇は「遠方割引」があってちょっとお得。さりげない心づかいがニクい。
あんまりフワフワするんで、それはそれで気になってしまい、何だか別の作品でもう一回くらい観に行くかも。「いやー幼いよねー」とか思いながら。


ロロ
『はなればなれたち』
脚本・演出:三浦直之

向井川淋しい:森本華
佐倉すい中:望月綾乃
近藤巧磨:篠崎大悟
柊木潮騷:島田桃子
ユノミ・ローズヒップティー:板橋駿谷
ラリー・バード:油井文寧
ハーゲンダッツ・リッチミルク:ひらのりょう
稲葉物置:多賀麻美
謎の草:大石将弘
ぼく:曽我部恵一

劇中曲:曽我部恵一
美術:杉山至
照明:富山貴之
音響:池田野步
衣裳:白井梨恵
衣裳進行:西山梨香
衣装協力:小山つかさ
舞台監督:鳥養友美、櫻井健太郎
演出助手:谷口順子、中村未希
文芸協力:稲泉広平
イラスト:矢野恵司
デザイン:佐々木俊
広報:浦谷晃代
記録写真:三上ナツコ
記録映像:伊集守忠
当日運営:河野遥、山道弥栄
制作:奥山三代都、坂本もも

引用
新潮社「青い鳥」作:メーテルリンク/翻訳:堀口大學
ままごと「わが星」作:柴幸男

協力:jungle、コムレイド、écru、ままごと、ナイロン100℃、スイッチ総研、青年団、レトル、FOGHORN、ROSE RECORDS、モモンガ・コンプレックス、木ノ下歌舞伎、稲プロ、ヌトミック、Diet-chicken、範宙遊泳、ローソンチケット、チケットぴあ、急な坂スタジオ、森下スタジオ

助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、芸術文化振興基金
提携:公益財団法人武蔵野文化事業団
企画制作・主催:ロロ、さんかくのまど

Special Thanks:櫻内憧海、栗原カオス、吉祥なおきち、亀鳥一徳

2019年6月22日〜30日 吉祥寺シアター

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